FOOMA JAPAN 2026 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

食中毒細菌の迅速検査方法と携帯型センサの開発
口頭発表テーマ:食中毒細菌の迅速検査方法と携帯型センサの開発

  • 口頭発表あり

2026年06月05日(金)14:45~14:55

テーマ

衛生対策・品質管理(殺菌、洗浄、異物除去含む)

研究機関名

北九州市立大学 国際環境工学部 生命工学科 礒田研究室

代表者名

礒田隆聡

発表概要文

【研究背景】 病原性微生物の中で O157、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクターは代表的な食中毒細菌です。これらは農産物や加工食品、飲料水に混入した場合、試料1mL中の細菌数が100ヶ(100cfu/mL)以下で食中毒症状を発症し、重篤な被害をもたらします。そのため我が国では全食品事業者に対し、国際衛生基準(HACCP)に準じた食品衛生管理を義務付けています。検査法にはコロニーカウント法が公定法に定められています。これは寒天培地で 24 時間以上培養し、増殖したコロニーの数を数える手法です。しかし結果の判定まで数日かかり、専門機関での検査に限定されているため被害を未然に防ぐには限界があります。大手の食品加工メーカーでは検査室を備えて日常的な検査を行っていますが、その数は膨大でコスト圧迫の要因となっています。またその他の検査法としては遺伝子検査(PCR 法)や簡易抗体検査(イムノクロマト法)も広く普及しています。前者は感度が高い検査方法ですが、1検体あたりのコストが高く日常的な食品の衛生管理には不向きです。後者は検査コストが低く短時間での測定が可能ですが、細菌数が低い試料では偽陰性となり信頼性に欠けます。 【シーズ技術の概要】 そこで本学では細菌数 100cfu/mL 以下(以後、超低菌数試料)を、公定検査より短時間で判定する方法と、その測定システムを開発しました。本技術は(A)微生物を抗体と選択的に反応させ、(B)吸光度測定、画像解析法、センサ測定のいずれか、またはこれら複数の組み合わせによって迅速に判定しま す。(A)では測定試料中に混入している特定の微生物のみに、わずか 10 分で反応が終了します。(B)では 10⁶ヶ(吸光度測定、画像解析法単独の場合)または 10⁴ヶ(センサ測定単独での場合)の細菌数の検出が可能です。特に画像解析法やセンサ測定法では小型軽量化されたシステムを試作し、いつでも、どこでも測定できることが実証化されています。また検出結果を複数の方式で比較できるため、偽陰性の判定ミスが防止できます。 【活用分野や展開】 本試作品は微生物をいつでも、どこでも検査できることを特徴としているため、食品加工、畜産業、卸業、水質管理の現場での使用を想定しています。また本検査技術を自動検査機器に転用することで、食品や飲料の製造ラインの中に組み込んだ大規模スクリーニングへの展開も考えられます。