FOOMA JAPAN 2026 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

微細化技術を活用した新規食品素材の開発と応用展開
口頭発表テーマ:微細化技術を活用した新規食品素材の開発と応用展開

  • 口頭発表あり

2026年06月03日(水)14:25~14:35

テーマ

フードテック(代替食品など)

研究機関名

北見工業大学 工学部 応用化学系 食品プロセス工学研究室

代表者名

邱 泰瑛

発表概要文

本研究では、湿式微粉砕および環境調和型抽出技術を基盤とし、農業副産物を含む植物由来資源の高付加価値化と新規食品素材の創出を目的としている。農業副産物である植物の皮、茎および種子などには有用成分が豊富に含まれているが、その多くは十分に活用されていない。従来の有機溶媒を用いた抽出法は毒性や環境負荷の課題を有するため、本研究では環境負荷の低い亜臨界水抽出に着目した。薄荷の茎を対象に、粉砕条件が抽出効率に及ぼす影響を検討した結果、微粉砕による粒子サイズの微細化が抽出効率を大きく向上させることを明らかにし、有用成分を効率的に回収する技術を確立した。  さらに、植物タンパク質食品である湯葉の製造において、熱風処理により液面における疎水性相互作用を促進することで、成膜時間の短縮および品質の安定化を実現した。また、豆乳製造副産物であるオカラを微粉砕して添加することで、成膜阻害の改善とともに食物繊維の付加による機能性向上を達成した。これにより、未利用副産物の有効利用と食品機能性の向上を両立することが可能となった。  加えて、湿式微粉砕により得られるセルロースナノファイバー(CNF)は、高い保水性や増粘性を有する新規食品素材として注目されているが、乾燥後の再分散性低下が課題である。本研究では、有機溶媒や化学修飾を用いずにCNFを作製し、食品添加物を利用した複合化技術を開発することで、乾燥後も優れた再分散性を示すCNF複合材料の開発に成功した。  これらの成果は、微粉砕技術を基盤とした物理的プロセスにより、環境負荷を低減しながら植物資源の機能性を最大限に活用するものであり、持続可能な食品素材開発および食品産業への応用展開に貢献することが期待される。