アカデミックプラザ
短時間でおいしい昆布のだしを得るための技術開発
~だしの抽出性に影響する材料形状・抽出方法及び抽出性向上加工の検討~
テーマ
加熱・乾燥
研究機関名
北海道立工業技術センター 研究開発部 函館マリカルプロ推進室
代表者名
小西 靖之
発表概要文
和食などの「だし」に多用される昆布の「だし」は、乾燥昆布の水浸漬、加熱抽出などにより行われるが、抽出に時間がかかること、抽出の方法により風味が異なることが知られているが、その違いなどは明らかになっていなかった。本研究では昆布のだし抽出に注目し、材料特性や用途目的に応じて食品工業における「だし抽出の工程」の設計が出来ることを目的に、昆布の吸水特性、前浸漬や材料形状、抽出方法の違いなどのだし抽出時間への影響や抽出しただし品質を評価した。 昆布だしのおいしさ成分としてグルタミン酸濃度を評価すると、粒度(1.0~2.8mm程度)の破砕形状の乾燥昆布を用いることにより、前浸漬を用いなくても10~15分の加熱抽出で十分な抽出が可能となる。(図2) 抽出しただしの味覚センサースコアー(図3)の評価より、前浸漬の効果は、「塩味」のスコアーにのみ影響し、それ以外のスコアーには影響しません。また、前浸漬時間が長いほど「塩味」のスコアーが大きくなることが分かる。 これらの結果及び従来の破砕昆布・棒昆布などの評価結果などより、特徴のある昆布のだし抽出方法の提案を行う。