アカデミックプラザ
エクストルーダーを用いた複合素材の組合せによる多様な物性や品質を有する素材の開発
口頭発表テーマ:エクストルーダーを用いた複合素材の組合せによる多様な物性や品質を有する押出物の開発
- 口頭発表あり
2026年06月02日(火)16:00~16:10
テーマ
飲食料品加工(その他)
研究機関名
日本大学大学院生産工学研究科マネジメント工学専攻
代表者名
小林奈央樹
発表概要文
研究発表者はこれまでエクストルージョンクッキング技術を活用することで, 農産物の利活用向上や多様な消費者ニーズに対応した新規素材の開発可能性について報告してきた。これらの技術を用いて組織状食品素材を作製する際, 一般的には脱脂大豆や分離大豆タンパク質などの生体高分子素材を原材料として用いるが, 押出物の形状が不安定になるなど様々な問題があった。前回はこれらを改善するために可塑剤としてグリセリンを5%w/w添加したとき, 押出物が安定的に供給されること, 素材のテクスチャーがグリセリンによって変化することを報告した。さらに、グリセリンを通常の可塑剤添加量である5%w/w程度からさらに増加して添加した場合に、今までの実験条件におけるエクストルーダーの運転条件では困難であった脱脂大豆のみで組織状素材を作製できることを見出した。 今回の研究紹介では, 脱脂大豆にグリセリンを添加することで得られた新規の組織状素材についてその開発過程と, 得られた組織状素材試料に対しての機器測定によるテクスチャー評価の結果について報告する。その結果, 20%w/wまで添加されたグリセリンは脱脂大豆たんぱくを主骨格とする繊維状の組織の構造を変化させ, 様々な物性の変化を及ぼしている傾向が認められた。エクストルーダー製造される素材は様々なタンパク質素材を含めて, その栄養性や物性などを, 多様な消費者の食嗜好に合わせて設計する必要性がある。そのような食品のベースとなる素材として, 今回我々が開発した素材は広く移用される可能性がある。たとえばタンパク質を添加することによる高タンパク含有の食品開発や, 低コストである点を活用していわゆる「つまみ」の基材となりうるなど幅広い活用が考えられている。さらにグリセリンを添加する効果についてより詳細に検討するため, グリセリンをプロピレングリコールやソルビトールに代えて組織状素材を作製し, そのテクスチャーについても解析を行った。これについても本発表で報告する。