FOOMA JAPAN 2025 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

アイスクリーム内部構造のミクロからマクロ計測に基づく品質評価法

テーマ

冷却・凍結

研究機関名

日本大学生物資源科学部 食品開発学科 食品創生分野

代表者名

都 甲洙

発表概要文

アイスクリームは,大きく分けて気泡,氷結晶,乳製品などにより構成されている.気泡はフリージングにより生成され,アイスクリームの滑らかな舌触りを作り出す.氷結晶は,アイスクリームの保存において再結晶化される.乳製品は,気泡と氷結晶の成長により圧迫・濃縮される.従来のアイスクリームおいしさの測定は,気泡と官能検査,氷結晶と官能検査,乳製品のたんぱく質,脂肪などの構成成分と官能検査,いわゆる,物理・化学的な要因一つと官能検査を行うことが多かった.一方,アイスクリーム内部構造である気泡,氷結晶などを同じ試料から同時に計測することが困難であった.このため,アイスクリームのおいしさの測定値には,ばらつきも大きく,信頼性や再現性に疑問が残されている.アイスクリームのおいしさ測定は,従来のような個々の物理・化学的な要因と官能検査ではなく,気泡,氷結晶,乳製品の混合バランスと官能検査により評価すべきである.  本研究では,極低温ミクロトームスペクトルイメージングシステム(Cryogenic Microtome Spectral Imaging System, CMtSIS)を用い,アイスクリームの内部構造を計測することにある.具体的には,1)アイスクリームの6種類オーバーラン(Overrun: OR)をコントロール可能なフリーザーを用い,4種類(Very Low, Low, Medium, High)のアイスクリームを製造し,重量を基準にしたオーバーラン(重量OR)を測定した.2)CMtSISにより自動位置きめにより得られた結合画像から気泡の面積を求め,CMtSISの切削厚を掛け体積を求めた.この気泡の体積を基準にした3種類(Very Low, Medium, High)のオーバーラン(体積ORVc)を算出した.3)CMtSISにより得られた連続2次元断面画像を用い,気泡,氷結晶,乳製品の3次元像を構築し,気泡と氷結晶の体積を求めた.体積を基準にしたオーバーラン(体積ORV-3Dc)を算出した.