アカデミックプラザ
液体凍結法を用いた食品の冷凍技術と品質保持に関する研究
テーマ
冷却・凍結
研究機関名
(公財)とかち財団 [北海道立十勝圏地域食品加工技術センター] 食品技術グループ
代表者名
川原 美香
発表概要文
北海道の生産原料は多くの消費者が新鮮で美味しいというイメージを持っており、国内だけではなく、ナガイモや乳製品などが既に海外へ輸出されている。海外展開するためには長期の品質保持が必要とされ、一部の食品では冷凍流通の需要がある。しかし、冷凍品も解凍時に離水や食感の劣化など、品質低下が生じることがあり、凍結前の品質が維持できる条件検討が必要とされている。 本試験では賞味期限が比較的短いフレッシュタイプチーズを一例として、冷凍・解凍時の品質低下を改善することを目的として手法を検討した。 フレッシュタイプチーズ「フロマージュブラン」は冷凍耐性が低い(離水しやすい、食感が劣化しやすい)ことが知られている。市場に出回っている水分含量70~85%の範囲のサンプルで冷凍した場合、80%未満のサンプルでは比較的離水が少ないことがわかった。冷凍条件を比較すると-20℃(緩慢凍結)、-40℃(急速凍結)、-40℃(アルコール液体凍結)の中で最も液体凍結が品質の維持に有効であった。また、フロマージュブランに10%液糖を添加すると離水防止、物性改善にさらに効果が見られた。