FOOMA JAPAN 2025 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

流動特性制御技術を基盤とする食品工業に係る環境負荷低減システムの開発

テーマ

環境対策・リサイクル(廃棄物処理、カーボンニュートラル含む)

研究機関名

東京都公立大学法人 東京都立産業技術高等専門学校  ものづくり工学科 高専品川キャンパス 化学研究室(田村研究室)

代表者名

田村 健治

発表概要文

持続可能な循環型社会の構築を念頭に、環境負荷を低減する様々な技術開発を継続してきた。これらの技術は、いくつかの活性種の調製方法確立とその活性種が発現する機能の応用を基盤とする成果である。調製方法・装置などを開発した活性種は、酸化機能を発現する活性種①②③と還元(抗酸化)機能を発現する活性種④に大別される。 前者酸化機能を発現する活性種は、高精度流体制御法由来の①安定化次亜塩素酸水(HClO)、四酸化二窒素由来の②二酸化窒素(N2O4-NO2)、DOPOS(Disposable One-Pot Operating System)系由来の③二酸化塩素(ClO2)などである。酸化機能を有す活性種①②③は、衛生管理・微生物制御技術あるいは消臭(悪臭対策)技術に適用することが可能である。 後者還元(抗酸化)機能を発現する活性種は、イオン半導体由来の④溶媒和電子型活性種である。還元(抗酸化)機能を有す活性種④は、極性溶媒をはじめとする各種溶媒バルクあるいは雰囲気中に発生される。本活性種が発生することで、流体(液相および気相)の流動特性が顕著に変化し、併せて還元機能すなわち抗酸化機能が発現される。流動特性は、有効分子量低下(分子集合体クラスターの会合状態変化)に起因する粘度ならびに表面張力の低下などが変化し、併せて溶媒和された電子により、酸化還元電位が低下(酸化能が低下して還元能が増加)することを明らかとしている。 イオン半導体由来の溶媒和電子型活性種は、還元(抗酸化)機能を応用する関連技術(バッテリー活性強化剤、電力貯蔵システム、鮮度保持・熟成促進システム)、流動特性を応用する関連技術(熱交換システム、燃費削減・排気ガス清澄システム)、さらに両者を複合的に適用する関連技術(食用油劣化防止システム)に大別され、様々な環境負荷低減システムの構築に応用されてきた。本報では、イオン半導体関連技術の概要と流動特性制御を応用する食品工業への適用事例を中心として報告する。