FOOMA JAPAN 2026 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

渦を使って連続生産 ―食品加工における流体操作の新展開―
口頭発表テーマ:渦を使って連続生産 ―食品加工における流体操作の新展開―

  • 口頭発表あり

2026年06月04日(木)14:55~15:05

テーマ

流動・攪拌

研究機関名

大阪公立大学 大学院工学研究科 機械系専攻 熱プロセス工学研究グループ

代表者名

増田 勇人

発表概要文

本研究は,食品製造における回分式から連続式生産への転換を背景に,流体が生み出す組織的な「渦」を活用した新たな連続式食品加工プロセスの開発を目的とするものである.従来,連続化にあたっては磁気力や超音波,UV光などの特殊エネルギー場との併用が検討されてきたが,制御や安全性の観点から実用化には課題が残されている.そこで著者らは,特殊エネルギー場に依存せず,流体運動そのものが形成するテイラー・クエット流に着目し,食品加工への応用を検討している. テイラー・クエット流は,同軸円筒間で内円筒を回転させることで生じるドーナツ状の渦(テイラーセル)が軸方向に連なる流れであり,各渦セル対を独立した反応場として利用できる特徴を有する.軸方向流れを付与することで,セル間の物質交換を抑えつつ連続操作が可能となり,均一かつ効率的な生産に適する.また,高粘性流体にも適用可能で,せん断ストレスが小さく,装置構造が簡便で洗浄性に優れる点も食品加工に適している. 本発表では,この流れを応用した単一装置によるデンプン加水分解プロセスを紹介する.糊化と糖化という異なる機能が必要な二段階工程を一体化し,回転速度や温度条件を制御することで高い糖収率が実現できる.さらに,渦状態の制御により生成糖の分子量分布も調整可能であることを示し,「渦×連続化」による高機能食品加工プロセス設計の可能性を提示する.