FOOMA JAPAN 2025 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

音響反射計測に基づく自動搬送台車の位置推定システム

テーマ

食品加工装置(ロボットシステム構築含む)

研究機関名

筑波大学 システム情報系 知能機能工学域 音響システム研究室 バイオ・環境計測グループ

代表者名

海老原 格

発表概要文

食品流通分野において従業員の高齢化・人不足は大きな課題である。特に、食品の積み下ろしは重労働かつ品質管理や運行管理が難しい。これらを解決するため、庫内や工場内の効率化に向けた環境整備や物流標準化を行うことが重要とされている。その中でも自動搬送台車(Automatic guided vehicle ; AGV)を用いた自動化は多くの庫内や工場内で導入がされている。物流状況に合わせた自由度の高い経路計画及び運行管理が可能なAGVとして自律型AGVの導入が進められている。しかし、現在一般的に用いられている測域センサーであるLight detection and ranging(LiDAR)は水滴などによる光学窓の汚染によって不安定な動作となる可能性がある。また、このような課題を解決する耐環境性能に優れたLiDARは一般的に高価であり、多くの企業にとって導入の障壁となっている。そこで本研究では水滴などの汚染に頑健な音波を用いた壁面位置計測装置およびそれを用いた自己位置推定手法を提案する。本研究の大きな特徴は複数反射波の情報を効果的に活用することで単一のスピーカーおよびマイクロフォンのみで位置推定を実現した点である。また、それらから得た情報を時系列的に処理することで自己位置の推定を行うことができる。本研究の成果は自律移動ロボットにおける新しいセンシング手法を提示し、食品産業における自律移動ロボット導入を促進することに貢献するものである。