アカデミックプラザ
2流体混合スタティックミキサーの性能評価と内部エレメント形状の検討
口頭発表テーマ:2流体混合スタティックミキサーの性能評価と内部エレメント形状の検討
- 口頭発表あり
2026年06月02日(火)13:45~13:55
テーマ
流動・攪拌
研究機関名
佐世保工業高等専門学校、機械制御工学科、流体研究室
代表者名
中島 賢治
発表概要文
食品製造における混合工程の効率化は、製品品質の均一化と製造コスト削減に直結する重要な課題である。本研究では、駆動部を持たず省エネルギー性に優れた「スタティックミキサー」に着目し、その性能を実験計測(レーザー計測)と数値解析(シミュレーション)の2つのアプローチから評価した。 1. 実験計測:レーザー光による混合状態の定量評価 本パートでは、フォトメータ(光度計)を用いた独自の計測システムにより、混合性能を「分離度(D)」という指標で数値化した。 • 計測原理: レーザーダイオードから発信された光が混合液を通過する際の透過度変動を、ソーラパネルで受光して電気信号に変換する。この信号を二乗平均平方根(RMS)処理し、無次元化することで混合の度合いを算出する手法である。 • 計測結果と改善: 実験の結果、エレメント未挿入時の分離度Dが「0.56」であったのに対し、エレメント挿入時は「0.04」まで改善され、混合性能が客観的に証明された。また、実務上の知見として、流体中の気泡が測定のバラツキ(ノイズ)の原因となることを特定した。装置を改良して気泡を削減したところ、測定精度が向上しただけでなく、混合度そのものも3%以上向上するという結果を得た。 2. 数値解析:シミュレーションによる形状の最適化 本パートでは、SolidWorksおよびANSYS fluentを用い、より高効率な混合を実現するエレメント形状を導き出した。 • 解析手法: 異なる温度(20℃と100℃)の水を流入させ、混合後の温度分布が理想的な熱平衡状態(60℃)にどれだけ近づくかを検証した。 • 解析結果: 形状比較において、「節無し」のエレメント形状が「節あり」よりも混合性能に優れることが判明した。さらに、エレメントの個数を6個、8個、10個と増やしていくことで、出口温度の誤差が段階的に縮小し、性能が向上することをシミュレーションにより確認した。 3. 今後の方針 本会へ参加することで、スタティックミキサーの食品機械への応用展開、特に、高粘性流体や擬塑性流体、粉体(顆粒)などの原料混合に対する需要があるのか、調査したい。