FOOMA JAPAN 2026 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

食品・飲料の声を聴く技術“アコースティックエミッションセンシング”による食感と喉ごしの見える化
口頭発表テーマ:アコースティックエミッションセンシングで描く食感・喉ごし評価の未来像と現状

  • 口頭発表あり

2026年06月05日(金)14:30~14:40

テーマ

検査システム(センサー・計測・分析・モニタリング含む)

研究機関名

神奈川大学 工学部機械工学科 マイクロ・ナノ工学研究室(長谷研究室)

代表者名

長谷 亜蘭

発表概要文

咀嚼は,食をつかさどる基本的な身体機能であり,脳・心・身体に大きな影響を及ぼす.咀嚼過程では,食感(口当たり,舌触り,歯ごたえ)が関与し,極めて複雑な現象が生じる.食品の美味しさを左右する要素の一つである食感は,食品テクスチャーと密接に関連し,力・振動・音の計測や食品の断面観察などによって主に評価される.しかし,これらの物理的手法のみでは,食品の持つ複雑な感覚特性を十分に計測・評価することは難しい.これは,喉ごしの評価についても同様のことが言える.実際の感覚とのギャップを埋めるためには,新たな計測手段を導入し,より適切な評価パラメータを構築する必要がある. 本研究では,食品テクスチャーすなわち食感および喉ごしの評価手法として,材料の変形・破壊時に生じる弾性波を計測するアコースティックエミッション(以下AE)センシングを活用する(図1).具体的には,様々な食品を変形・破壊する実験(図2)や飲料を流す実験を実施し(図3),その際に計測されたAE信号を解析する.得られたAE信号波形の周波数を横軸,振幅値を縦軸とすることで,食品・飲料の食感や喉ごしを分類する「AE信号–食感・喉ごしマップ」の構築を目指す.さらに,各現象の遷移点におけるAE信号の特徴変化を明確にし,マップの信頼性および精度を向上させる. AE信号–食感・喉ごしマップを体系化することで,計測されたAE信号の振幅値や周波数から,咀嚼・嚥下時における食品テクスチャーの変形・破壊現象を特定しやすくなる.本研究で構築したAE信号–食感・喉ごしマップを活用し,将来的には新たな食感・喉ごしを持つ食品・飲料の開発や,食品加工の品質評価への応用を目指す.