アカデミックプラザ
赤外線加熱と表面冷却による白色クラストパンの焼成技術―樹脂容器の使用により破損の危険性を排除―
口頭発表テーマ:赤外線加熱と表面冷却による白色クラストパンの焼成技術―樹脂容器の使用により破損の危険性を排除―
- 口頭発表あり
2026年06月04日(木)13:55~14:05
テーマ
加熱・乾燥
研究機関名
国士舘大学 理工学部 理工学科 機械工学系 熱応用研究室
代表者名
佐藤 公俊
発表概要文
【背景と課題】 サンドウィッチ作製において、硬い食感と色づきが理由で、食パンの耳を切除して白い柔らかい部分だけを用いることが多い。パンを白く焼くためには、パン生地表面をアミノ-カルボニル反応が起こらない160℃以下に保つ必要が有る。ただし、従来的なオーブンでは雰囲気の温度を下げざるを得ず、入熱量の減少により焼成時間が長くなってしまう。 【課題解決方法】 そこで一般的な金属容器の代わりに赤外線を透過できる透明な容器を用いて、これを空冷しながら赤外線ヒータから透明容器を透過してパン生地を直接輻射加熱することで、パン生地表面の温度を下げて充分加熱することができ目的の耳まで白いパンを実現した。耳の除去の必要のない「表面が白いパン」をあらかじめ作成できれば、サンドウィッチ製作における耳の除去が不要となるので、大幅なフードロスの低減が期待できる。また加熱炉の低温化によるエネルギ消費低減も見込まれる。また焼成する和洋菓子の焼き色を制御可能なため製品意匠の自由度を上げられる。 【効果と特徴】 物体を加熱するに際し、積極的に冷却しながら加熱するという矛盾は通常の発想では考えられないことである。ただし、伝熱工学の知見においては、強制対流伝熱と輻射伝熱は並立するので、物体表面を冷ましつつ赤外線内部発熱によってパン焼成は可能である。これにより、パン生地内部に最高温度点を形成することができ、アミノカルボニル反応による表面変色をさせることなく水分蒸発に充分な熱量を投じることができ、中までサクサクとしパンが焼成できる。 更に、FOOMA2025発表時では透明ガラス製容器を用いていたが、脆性材料ゆえに容器の破損の恐れがある課題が有った。そこで高融点のフッ素樹脂に置換することで割れる危険を回避した。素材が樹脂に代わっても空冷効果で加熱中も変形なく形状を維持し、赤外線ヒータから容器を透過してパン生地を輻射加熱し表面の温度を下げて充分加熱することができることを確認した。