FOOMA JAPAN 2025 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

マグネシウム合金を用いて有害微生物を制御

テーマ

衛生対策・品質管理(殺菌、洗浄、異物除去含む)

研究機関名

国立研究開発法人 産業技術総合研究所・製造技術研究部門/国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構・農業環境研究部門

代表者名

中野 美紀

発表概要文

研究のポイント  ・環境や人体への負荷の少ないマグネシウムを主成分とする合金素材を用いた微生物制御材を開発する。  ・新しい金属系微生物制御材として、植物工場における病害防除、植物工場における食中毒菌の増殖抑制が期待できる。  ・食品産業の衛生資材としての利用に応用展開が可能である。 研究内容 ・農業・食品産業を始め各種衛生管理では好ましくない微生物の増殖抑制が課題となっている。しかしながら、微生物の制御は、個別の微生物の培養や反応に依存する技術的な課題を抱えている。農業・園芸における問題としては生産性を著しく低下させる有害な微生物(有害菌)の増殖が挙げられる。例えば、施設園芸において広く普及している溶液栽培は、閉鎖された環境で植物を栽培することから病害を回避しやすいという利点を有する一方で、一旦病害が発生すると被害は甚大になりやすいという欠点を有している。そのため有害菌の増殖を抑制する衛生管理技術の開発が課題となる。また、農業以外にも食品産業や発酵製造業において生産活動を阻害する有害菌の増殖抑制についても新たな基盤的技術の開発が課題となっている。 ・本研究では、微生物の増殖抑制に対して有効に作用する金属マグネシウムをベースとした微生物制御材の開発を行った。その結果、微生物を液体培養する際にマグネシウムを主成分とする合金を投入することにより、農作物病害原因菌、食品汚染菌となる微生物において、増殖抑制の効果を示すことが明らかになった。