FOOMA JAPAN 2026 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

照明は食品のおいしさを変える-官能評価の信頼性を向上させる一つの方法-
口頭発表テーマ:照明は食品のおいしさを変える-官能評価の信頼性を向上させる一つの方法-

  • 口頭発表あり

2026年06月04日(木)14:40~14:50

テーマ

その他

研究機関名

岩手大学大学院連合農学研究科 食品物性機能制御学研究室

代表者名

佐藤之紀

発表概要文

食品にあてる照明によって,見た目の食品のおいしさが大きく変化する。古くから,食品には暖色系の照明をあてるとその食品はおいしく見え,逆に寒色系の照明下におくとおいしく見えないことが知られてきているが,食品の見た目のおいしさ度と照明の種類の関係を定量的に数式で示すことを試みた。さらに,広く世界的に行われてきている食品の官能評価法の特徴をリビューし,いくつかの問題点をあげ,それを改善する一つの方法を示そうとした。多くの食品官能評価法では極めて微妙な官能評価値を比較することが多いために,パネルを評価事前にトレーニングして評価値のバラツキを最小限にする努力をこれまでに行ってきている。これは,パネルが有している食品の性状を評価する能力を一定水準にあげる役割をもっていると考えられるが,その他にも多くの要因が食品の官能評価値に影響を与えている。少なくとも,次にあげる官能評価値への変動要因(1)と(2)に対してどのような対策をとっているかを回答できなければならない。 (1)食品を食べた後に食品の味などを評価する官能評価法では,評価後半で評価する食品のサンプルを食べる時には評価前半で食べた時よりも満腹度は必ず上がっているが,この要因の影響を除くためにどのような工夫をしているのか?または,満腹度が官能評価値に影響しないことを確認しているか?(2)多くの論文上では一回の官能評価の結果で議論している場合が多い(信頼性を上げるためにパネルの数を増やすことはあっても,シングルテストの結果だけを解析していると判断される場合がほとんどである)が,国際標準化機構ISOでは官能評価値に関するReproducibilityやRepeatabilityが言及されているにもかかわらず,なぜ複数回の官能評価を行わないのか?このような状況のもと,この研究では,統計的な有意差が出にくい食品官能評価値の解析方法の一例を示すために,食パンクラムを種々の照明下において,食品の見た目のおいしさ度と見た目のかたさを官能評価してもらった。それらの官能評価値と照明の種類の関係を定量化した。その結果,あまりにも暖色が強すぎる照明では逆においしさ度が低下することを見出した。研究の進行の状況によっては,FOOMA開催までに食パンクラム以外の食品を材料とした結果が出れば,合わせて発表したい。