FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

廃果皮抽出物の添加による改質豚腸ソーセージの開発および非破壊品質評価

  • 口頭発表あり

2024年06月05日(水)15:30~16:00

テーマ

環境対策・リサイクル(廃棄物処理、カーボンニュートラル含む)

研究機関名

国立大学法人北海道国立大学機構北見工業大学工学部地域未来デザイン工学科バイオ食品工学コース

代表者名

FENG CHAOHUI

発表概要文

果皮由来フラボノイドは、抗酸化、抗ウイルスなどの生理活性を持つ優れた天然食品成分であるが、大部分は廃棄されている。本研究では、ミカン果皮由来フラボノイドを有効利用することにより、ソーセージ製造における品質保持に資するのみではなく、国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)「飢餓をゼロに」の達成や、新型コロナウイルスに代表される感染症予防などにも貢献すると期待される。一方、人々の食生活でなじみ深い食品の一つであるソーセージは、豚や羊などの腸管に、味付けされた挽肉や脂肪を充填する「ケーシング」によって加工されるが、天然素材である動物の腸管は品質にばらつきがあるため、加工中に破裂が生じて生産効率が低下するという問題があった。この問題に対して申請者は腸管にさまざまな前処理を施し、ケーシングの構造を変化させて改質することで破裂を低減できることを明らかにしてきた。この改質ケーシングは多孔質構造を持つため、脂質酸化や微生物侵入が懸念されることから、その対策として抗酸化物質および抗菌物質の添加が有効であると考えられる。近赤外ハイパースペクトルイメージング(HSI)は試料からスペクトルと空間情報を同時に取得でき、様々な特性の可視化に有効な実験手法である。この技術は様々な分野での応用が試みられているが、食品分野においてはまだ基礎的な応用研究に留まっている。本研究は、近赤外波の特性を利用したユニークな検査法の提案であり、この課題の結果、改質された天然豚腸に詰められたソーセージを定量的に評価するための一つの方法を提案できる。