FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

製品色と風味を向上できる高品質な乾燥工程の設計
~  温度・湿度制御と糖添加による乾燥野菜の品質設計  ~

テーマ

加熱・乾燥

研究機関名

北海道立工業技術センター 研究開発部 函館マリカルプロ推進室

代表者名

小西 靖之

発表概要文

長ネギやキャベツなどの乾燥においては、乾燥工程中に製品色と風味に影響を与えるメイラード反応が進行し、この制御が乾燥製品の品質設計にとって大切となります。 本研究では、野菜乾燥工程中に進行するメイラード反応を、モデル的に単純なA→B→Cとした逐次反応モデルで表現し、乾燥条件や乾燥品の前処理が乾燥品のメイラード反応にどの様に影響するかを評価しました。(図1参照)このような単純化したモデルを用いて評価・解析することにより、影響因子の効果をわかりやすく説明でき、その効果を実際の食品加工工程に反映しやすくなります。 この取り組みの結果、 (1)長ネギ乾燥工程では、水分状態と乾燥空気の温度・相対湿度が、風味や製品色に影響を与えており、2段階の乾燥条件を組み合わせることにより、製品色と風味の高品質化が可能となります。 (2)キャベツ乾燥工程では、前処理である糖添加加工が重要となり、添加する糖の種類と糖濃度により乾燥速度や褐変速度を制御でき、乾燥効率と製品色の良好化が可能となります。 更に糖添加前処理を行った乾燥野菜では、添加する糖の種類や濃度が、乾燥品保管中の吸湿性(図2参照)や製品色の安定性(図3参照)などにも影響することから、乾燥品の保管安定性も製品設計することができます。  乾燥野菜の高品質で効率的な乾燥方法について、「乾燥工程の温度・湿度制御」、「乾燥前処理での糖添加」の効果、糖添加した乾燥野菜の特徴などについて、報告を行います。