FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

微粒子分散系制御及び評価の新展開

  • 口頭発表あり

2024年06月06日(木)11:10~11:40

テーマ

ろ過・固-液分離

研究機関名

法政大学 生命科学部 環境応用化学科 環境粉体工学研究室/スラリー工学研究所

代表者名

森 隆昌

発表概要文

【研究概要】 様々なスラリー(粒子懸濁液)の粒子分散状態を制御する技術、及び、分散状態を評価する技術を開発しています。我々のモットーは「現場に役立つ基礎研究」です。 【主要開発技術】 ・沈降静水圧測定装置 粒子の沈降現象に伴うスラリーの静水圧変化を測定し、粒子の分散状態及びその変化を評価します。濃厚系スラリーを希釈することなく評価できること、黒色のスラリーなど観察の難しいスラリーでも測定できることが特徴です。 ・ナノ粒子スラリーの浸透圧測定装置 ナノ粒子スラリーは浸透圧が観測されます。ナノ粒子スラリーの浸透圧は粒子の分散状態によって変化するため、浸透圧から粒子分散状態を推定できます。沈降静水圧測定装置と同様に、濃厚系スラリーを希釈することなく測定可能です。 ・粒子状物質の接触角測定装置 画像法での接触角測定が難しい粒子の接触角を、密閉容器内の粒子充填層に液を含浸させ、その時の容器内圧力の変化から接触角を求めます。粒子充填層の作製方法に特徴があり、非常に再現性良く接触角が求まります。わずか1 cc程度の粒子で測定が可能です。 ・多層傾斜板電極付きスラリー沈降分離装置 スラリー内に挿入した多層傾斜板電極に直流電場を印加しながらスラリーの連続固液分離を行う装置です。凝集剤(化学薬品)を一切使用せずに、スラリーを清澄な上澄みと濃縮液に連続分離します。水中の懸濁粒子の帯電を利用した沈降促進効果とボイコット効果の併用で効率よく粒子を沈降分離できます。 【スラリー工学研究所の紹介】 法政大学の特定課題研究所制度を利用して2014年からスラリー工学研究所を運営しています。企業との共同研究はもちろんですが、スラリーの受託分析業務も実施しています。毎年夏に企業の技術者向けの実験付きセミナー(スラリー評価の基礎とスラリー評価に関する実験実習)を実施しています。