FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

浮力と磁力を用いた完全非接触による液体攪拌

テーマ

流動・攪拌

研究機関名

国立高専(豊田・阿南・広島・鳥羽)・大同大学 マグネティックドライブ共同研究グループ

代表者名

小谷 明

発表概要文

食品製造業における攪拌装置は,主として貯蔵タンクの底部に設けられた攪拌用プロペラを外部からモータで回転させるものである.このモータと攪拌用プロペラは回転軸で接続されており,その回転軸はシール材を用いて貯蔵タンク内の液体が漏れない構造になっている.しかしながら,接触部分の摩擦により製品内にシール材の成分が溶け出したり,シール材が削られてその一部が入り込んだりする危険性がある.さらに,回転軸と軸受けの摺動部においても摩耗紛が発生し,液体食品内に混入することが懸念される.このような異物混入のリスクを回避するために駆動側と従動側が非接触型の攪拌装置が考案されているが,それらの装置は電磁石が用いられており,構造が複雑で高価なものであった. 本研究グループでは,比較的簡単な構造で安価な非接触型の攪拌装置の開発を目指し,これまでにフロート,接続軸,攪拌用プロペラ,錘から構成される回転体を浮力にて液体中に浮かせ,容器上部からネオジム磁石にて回転させる仕組みの非接触攪拌を提案してきた.この非接触攪拌における最適な攪拌条件をPIV解析(図1)にて評価するとともに,高粘度液体にも対応した非接触攪拌装置(図2)を構築し,回転体に上下から動力を伝達することによって高粘度液体に対しても安定した攪拌が可能であることを示した.