FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

色調が優れた小豆餡の製造技術

テーマ

飲食料品加工(その他)

研究機関名

(公財)とかち財団 [北海道立十勝圏地域食品加工技術センター] 食品技術グループ

代表者名

川原 美香

発表概要文

近年、小豆から新たな紫色色素が発見され、主たる構造が解明された(図1)。小豆の主な用途は製餡用であるが、古来より職人が丁寧に炊き上げた餡は「紫がかった色を呈する」と言われ、高級な餡の指標として外観色が重要視されてきた。しかし、製餡加工も機械化が進み、市販の餡は一般的には茶褐色のものが出回っているのが現状である。本研究では名古屋大学の試験の加工応用として製餡技術の確立を担当し、紫色色素の特性を基に製餡技術の知見を得た(特許番号7406770)。本研究では、褐色化しやすい水溶性色素を除去し、酸化しやすい難溶性紫色色素を保護するために加熱前の状態で一度脱気処理することにより、色調が優れた餡の製造を可能とするものである(図2)。 [製法の原理] ・小豆種皮に褐色化しやすいカテキン系化合物が多く含まれる。(加熱、酸素の存在で褐色化が促進) ・小豆種皮に水に溶けにくい紫色色素が含まれる。(熱水で溶出し、餡に吸着) ・加熱前にカテキンを主とする水溶性色素を流出させ、酸素を除いた状態で炊き上げると餡が紫色に染まる。