FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

食材・加工食品の鮮度保持による廃棄食糧削減技術の開発

テーマ

鮮度保持

研究機関名

東京都公立大学法人 東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科 高専品川キャンパス 化学研究室(田村研究室)

代表者名

田村 健治

発表概要文

2015年に国連が定めた持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)への取組に着手して、2024年現在で既に9年の歳月が経過した。達成年限たる2030年まで残すところ6年に迫っている。SDGsは17ゴール(開発目標)・169ターゲット(具体的な目標)・232グローバル指標(進捗状況の評価指針)で構成される包括的な目標である。SDGsへの取組は地球規模で進められるべきであるが、各国・地域の情勢などにより取組の困難さは、非常に大きく異なっている。我が国の食品工業界においては、SDGsにおける17ゴールの中で、特にSDG2(飢餓をゼロに)・SDG12(つくる責任・つかう責任)をはじめとする開発目標に対応する取組と技術開発を積極的に推進させる必要に迫られている。 食品工業界に課せられたSDGs関連の技術開発の一環として、食糧問題に直結する最重要課題である食品類の廃棄量削減対策を講じるために有効な食品類の鮮度保持関連技術として、本報では食品類の品質保持期間・可食(消費・賞味)期限・調理加工期限の安全・安心な延長効果の検討とその成果について報告する。 著者らが開発したイオン半導体および関連技術は、様々な環境負荷低減システムの構築に応用されてきた。これらの一環として、イオン半導体が溶媒バルク内あるいは雰囲気下において発現する強力な抗酸化作用(還元作用)を食品類あるいは食品加工工程に適用し、食材・加工食品などの安全・安心な鮮度保持に関する検討を行った。この品質保持技術の開発に必要となる微生物制御(衛生管理)関連技術の概要についても併せて報告する。