FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

自律型搬送ロボットに貢献する音響版LiDARシステム~人の耳を超えるセンシング技術~

  • 口頭発表あり

2024年06月04日(火)13:30~14:00

テーマ

食品加工装置(ロボットシステム構築含む)

研究機関名

筑波大学 システム情報系知能機能工学域音響システム研究室 バイオ・環境計測グループ

代表者名

海老原 格

発表概要文

食品流通分野において従業員の高齢化・人不足は大きな課題である。特に、食品の積み下ろしは重労働かつ荷下ろし時間が集中するなど労働者にとって大きな負担である。これらを解決するため、庫内や工場内において効率化に向けた環境整備を行うことが重要とされている。その中でも自動搬送台車(AGV)を用いた自動化は多くの庫内や工場内で導入がされている。より自由度が高く運行状況に合わせたリアルタイムな運用が可能なAGVとして自律型AGVの導入が進められている。しかし、現在一般的に用いられている測域センサーであるLight detection and ranging(LiDAR)は水滴などによる光学窓の汚染によって不安定な動作となる可能性がある。そこで本研究では水滴などの汚染に頑健な音波を用いた壁面位置計測装置およびそれを用いた自己位置推定手法を提案する。本研究の大きな特徴はドップラー効果を活用することで単一のスピーカーおよびマイクロフォンのみで同時に反射物体までの距離と角度を計測可能にした点である。また、それらから得た情報を時系列的に処理することで自己位置の推定を行うことができる。本研究はLiDARなどの既存のセンサーと組み合わせることにより既存のAGVの活動範囲を広げることに寄与するものであると考える。