FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

電気インピーダンス・トモグラフィ法(EIT)を用いた食品製造プロセスの視える化
Visualization of food manufacturing process by electrical impedance tomography (EIT)

  • 口頭発表あり

2024年06月06日(木)16:10~16:40

テーマ

検査システム(センサー・計測・分析・モニタリング含む)

研究機関名

千葉大学 大学院工学研究院 武居研究室

代表者名

武居昌宏

発表概要文

電気インピーダンス・トモグラフィ法(Electrical Impedance Tomography; 以下EIT)を用いて、食品製造プロセスにおける内部状態の変化について可視化する研究を行っている。EITとは、X線CTやMRIと同じ可視化計測手法の一つであり、微弱な電流を印加することで電気の流れやすさの違いをマッピングし、計測対象の内部状態を電気的に可視化することができる。そして、高速かつ非侵襲的であるという特徴から、食品製造工程におけるプロセス評価技術としての将来的な可能性が期待されている。 当研究室では、生体計測や工業プラントに研究実績のあるEITを、乳製品製造の主要な単位操作である撹拌に実装し、ホイップクリームの撹拌に伴う内部構造の変化を断面二次元的にリアルタイム検出する技術の研究を開始した。結果、ラボスケールの実験環境においてホイップクリームの構造変化を電気的に可視化することに成功した。しかしながら、現状のEITでは、電気物性と内部構造要素との結びつきが未知であるため、機械学習を組み合わせることにより、固気液の混相状態の4D時空間分布をリアルタイムに可視化計測する技術の実現を目指している。 今後は、より詳細な内部構造を構造パラメーターとして同定すること、現状ラボスケールのEITを実際の製造ライン内に適用可能なアップスケールを行うことを目指している。また、このEITによる電気的可視化計測技術を、乳製品に限らず様々な食品製造プロセスに応用展開し、将来的には技術の定量化や生産性の向上、より高度な品質管理の実現が期待される。