FOOMA JAPAN 2024 〜世界最大級の食品製造総合展〜 | 一般社団法人 日本食品機械工業会主催

アカデミックプラザ

アコースティックエミッションセンシングの食感評価への展開

  • 口頭発表あり

2024年06月06日(木)14:50~15:20

テーマ

検査システム(センサー・計測・分析・モニタリング含む)

研究機関名

埼玉工業大学 大学院工学研究科 マイクロ・ナノ工学研究室(長谷研究室)

代表者名

長谷 亜蘭

発表概要文

咀嚼は,食をつかさどる基本的な身体機能であり,脳・心・身体に大きな影響を及ぼす.咀嚼過程においては,食感(口当たり,舌触り,歯ごたえ)が関係し,とても複雑な現象を伴う.咀嚼過程で美味しさを感じさせる要素の一つである食感は,食品テクスチャーが大きく関係し,力・振動・音の計測,食品の断面観察などから主に評価がなされる.しかしながら,上記の物理的手段では,複雑な食品の感覚的特性を計測・評価するには限界がある.実際の感覚とのギャップを埋めるためにも,新たな計測手段を活用して評価パラメータを構築する必要があると考える.そこで本研究では,材料の変形・破壊の際に生じる弾性波を計測するアコースティックエミッション(以下AE)センシングを食品テクスチャーの評価に活用する(図1). ここでは,様々な食品を変形・破壊する実験を実施する(図2).食品の変形・破壊時に計測されたAE信号の解析結果を元に,横軸にAE信号周波数,縦軸にAE信号振幅値をとって食品の食感を領域分けしたAE信号–食感マップの構築を目指す.さらに,各現象遷移点におけるAE信号の特徴変化を明確にし,マップの信頼性および精度を高めていく.AE信号–食感マップを体系づけることによって,計測されたAE信号の振幅値・周波数から,咀嚼時の食品テクスチャーの変形・破壊現象の特定を容易に行うことができる.この構築したAE信号–食感マップを活用し,将来的には面白い食感の食品開発や食品加工の品質評価等への展開を図っていく.