アカデミックプラザ2013

研究概要

「おいしい」食感表現の可視化 ~食品構造の形成と破壊から~

研究機関名

明治大学 農学部 農芸化学科 食品工学研究室

代表者

中村 卓

本研究の主旨

食感は物理的な味とも言われ、固形状食品の「おいしさ」において重要な要因です。人間は咀嚼による食品構造の破壊によって物性と構造の変化を知覚し、食品属性に結びついた食感(かたさ・ねばり・粗滑)を表現します。さらに、これらの食感を複合的に好ましいと認知すると「おいしい」食感として表現します。つまり、食感は食品構造により決定されると考えられます。そこで、我々の研究室では、食品の構造から食感をデザインする『食品構造工学』の確立を目指しています(図1)。
本研究では、タンパク質、多糖類、油脂といった食品成分が
① 加工(混合・撹拌/加熱・冷却)によりどのような構造を形成するか?
② 食品素材の添加や配合の変化によってどのように構造が変化するのか?
③ 形成した食品構造が咀嚼でどの口腔内部位で破壊され、どのような物性と構造を発現するのか?
④ 「おいしい」食感表現は咀嚼の時間軸の中でどのような物性と構造の変化から判断されるのか?
について検討し、特に、食品構造の形成と破壊の過程に着目して「おいしい」食感表現を可視化することを目的としています。
具体的には、チーズの製造における撹拌速度や加熱時間の脂質やタンパク質成分への構造的な影響を検討し、物性の変化についても明らかにします(図2)。また、おいしい食感表現としてタピオカ澱粉の「もちもち」を例に挙げます。「もちもち」食感は第1咀嚼において、舌でつぶすのではなく歯で噛む食感です。切歯・臼歯による破壊で、咀嚼前半は柔らかく、咀嚼後半では噛切り(破断)難い。さらに第2咀嚼以降も臼歯で「潰し難く、少し付着があり、第1咀嚼との差が小さい」とイメージされます。この様に、第1咀嚼で切歯・臼歯のモデルによる力学特性と複数回咀嚼のモデルによる付着性とそれらの構造状態から具体的に説明されます。つまり、咀嚼の時間軸を意識した物性測定や破壊構造観察の手法を用いて「もちもち」という食感表現を可視化します(図3-4)。
この様な、単なる「かたさ・ねばり・粗滑」レベルの食感表現ではなく、感性的な「おいしい」食感表現を物性測定と構造観察から可視化するという考え方・手法を個別の「おいしい」食品開発や素材のアプリケーション開発に適用する契機となればと期待しています。

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