アカデミックプラザ2013

研究概要

食品の加工流通プロセスにおける熱・物質移動現象の最適化に関する研究
-ホタテ貝柱の乾燥と各種食品の熱物性測定および加熱・冷凍シミュレーション-

研究機関名

東京農業大学・生物産業学部・食品香粧学科・食の化学研究室

代表者

佐藤広顕  (連絡担当者:村松良樹)

本研究の主旨

研究テーマⅠ ホタテ貝柱の乾燥に関する研究: 
ホタテ加工における生産性のボトルネックおよび製品の等級に影響する品質形成について明らかにする。主産物の生産性向上と製造工程で産出する新副産物の有効利用を可能とする新しい製造方法を提示する。
ホタテの貝柱を乾燥させて作る干し貝柱は,原料生鮮貝の煮熱処理によって得られる軟体部から摘出した貝柱を,塩水煮調味,焙乾,乾燥,あん蒸の工程を経て約1カ月をかけて作られる。この従来の製法は乾燥プロセスでの品質形成を経験則に委ねているために,製造期間が長くなる。さらにアミノカルボニル反応に基づく褐変が色調形成に関わる一方,品質低下の要因となる過度の褐変を避けるために,呈味成分でもある褐変原因物質の排除が煮熱工程で徹底され,結果として製品歩留りの低下を招いている。製品の高品質化と生産性がトレードオフの関係にある従来法を改善し,これまで利用価値の低かった副産物の高付加価値化を合わせたホタテ加工の新しいビジネスモデルを提案する。乾燥・あん蒸プロセスで温度と湿度を調整し,褐変原因物質を含んでいても1等級色調を得られる結果を図1に,新製法と新ビジネスモデルの概要を図2にそれぞれ示した。

研究テーマⅡ 食品の熱移動現象に関する研究: 
食品および食品素材の加工流通プロセスには加熱や冷却を伴う様々な熱操作が含まれる。これらの操作を行う装置の設計や最適な操作条件の選定の際に,加工現場の経験のみに頼り,闇雲に試行錯誤を繰り返すだけではリスクが大きい。そのため,加工操作の最適化や高付加価値化食品を安全に,且つ効率良く製造するためのシステム化には加工過程シミュレーションによる解析が有効となる。このシミュレーションの際には食品あるいは食品素材の熱物性データの他,加工過程中における食品を構成する各種成分や食品の諸特性の変化に関するデータが必要となる。ここでは,我々が提案した新しい熱物性値の同時推算法を用いて,様々な条件下において数種類の農畜水産物の熱物性値を同時に測定した。これらの結果を基に,実用に際し便利と考えられる形の農水産物の熱物性値予測モデルを構築した。また,調理加熱および冷凍時における試料温度の経時変化を測定するとともに,熱物性値の測定データと汎用工学シミュレーションソフトウェアCOMSOL Multiphysicsを用いて,試料の温度変化シミュレーションを行った。熱物性測定に用いたプローブの概略を図3に,また,サケ切り身の温度変化シミュレーションの結果を図4に示した。

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