アカデミックプラザ2013

研究概要

食品加工副産物の有効活用のための機能性天然色素素材の開発-ホタテ卵巣に含まれるカロテノイドの抽出-

研究機関名

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構食品加工研究センター 食品開発部食品開発グループ

代表者

田中 彰

本研究の主旨

カロテノイドは黄色~赤色を持つ自然界に存在する色素で、抗酸化性や抗腫瘍性、紫外線障害の予防など健康や美容に関連する機能性を持つことが知られており、食品の着色だけではなく、健康食品や化粧品などの機能性素材として広く利用されている。ホタテは北海道の主力水産物で年間約44万トン(2010年北海道水産現勢)が生産されている。主に食用に利用されるのは貝柱(全重量の約13%)であり、約50%を占める貝殻は土木資材や肥飼料、カルシウム強化剤に利用されているが、中腸腺などの軟体部はほとんど利用されず廃棄されている。ホタテの卵巣組織にはペクテノロンやアロキサンチンなどのアセチレン構造を持ったカロテノイドが存在し、それらの持つ機能性が明らかにされ、その活用が期待されている。
本研究では、ホタテの卵巣組織からカロテノイド色素を効率的に抽出濃縮する方法を検討するとともに、得られたカロテノイド抽出物の機能性や品質特性を明らかにすることで、食品などへ利用できる機能性色素素材を開発することを目的とした。
ホタテ卵巣から、エタノール単独あるいはエタノールとアセトンを併用して抽出濃縮を行うことにより、カロテノイド含有量の異なる2つの抽出物を色素素材として得ることができた(図1)。2つの色素素材には培養動物細胞を用いた試験の結果、濃度依存的に腫瘍細胞の生残率を低下させる効果(図2)や炎症性サイトカインの遺伝子発現量を抑制する効果が認められた。また、動物試験の結果、潰瘍性大腸炎を緩和する効果が認められた(図3)。2つの色素素材はエタノールや植物油への溶解性が高く(図4)、耐光性や耐熱性は抽出物により異なっていた。
 これらの結果から、ホタテ卵巣からカロテノイドの含有量を高めた機能性色素素材の製造方法を開発するとともに、本色素素材が健康食品などに用いる機能性素材として利用できると考えられた。

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