アカデミックプラザ2013

研究概要

農産物の加工・調理における放射性物質の動態

研究機関名

(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 放射性物質影響ワーキンググループ

http://www.naro.affrc.go.jp/nfri/contens/nfriwg/riwg/index.html

代表者

濱松 潮香

本研究の主旨

東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散によって、広範囲において農産物が放射性セシウム汚染の影響を受ける事態となった。農産物の加工・調理における放射性セシウムの動態についてのチェルノブイリ事故後の数十年にも及ぶ研究成果の蓄積は、我が国の原子力発電所事故対策にとって貴重であるが、国内農産物の加工・調理での放射性セシウムの動態に関する研究は極めて少ない。そこで我々は、平成23年産の小麦を使い、日本において特徴的な食品での加工・調理過程での放射性物質の動態を調べた。
 試験圃場で栽培・収穫した異なる濃度の放射性セシウムを含む小麦試料4点を用いて,製粉およびうどん調理における放射性セシウムの動態を詳細に解析したところ、製粉工程では、食用の小麦粉の放射性セシウム濃度は加工前の玄麦に比べ1/2以下に低減されたが、飼料用のふすまでは2倍強に濃縮された。汚染小麦粉から調製したうどん生麺の放射性セシウムは、調理の茹で・水洗工程で約80%が除去された(Fig.1)。また、うどんと異なり小麦粉にかん水を加えて練り合わせた後に製麺する中華麺において、調理での放射性セシウム動態に及ぼすかん水添加効果を、本来のかん水添加中華麺とかん水の代わりに食塩を添加して調製した麺を用いて比較したところ、麺から茹で液への放射性セシウムの移行率は中華麺(47%)が食塩を添加した麺(67%)より有意に低く、かん水の使用が中華麺から茹で液への放射性セシウムの移行を抑制した。かん水添加は小麦粉のグルテンの収斂や変性を引き起こして麺の硬さや弾力性を増加させるが、食塩をかん水の代わりに使用した麺に比べ、調理後の中華麺の湿重量が有意に低いすなわち膨潤程度が低くなっており、麺への水分の浸透が低いことが中華麺で放射性セシウムの茹で液への溶出が少なくなったことに影響していると推察された(Fig.2)。

Fig.1. 小麦の製粉加工およびうどん調理での放射性セシウムの動態

Fig.2. 中華麺調理での放射性セシウムの動態

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