アカデミックプラザ2013

研究概要

食用として利用の少ない地域水産資源のすり身化と低利用畜産物との複合食品の創出による付加価値向上技術の開発

研究機関名

酪農学園大学農食環境学群食と健康学類
(地独)北海道立総合研究機構中央水産試験場加工利用部加工利用グループ

代表者

舩津 保浩(ふなつ やすひろ)
蛯谷 幸司(えびたに こうじ)

本研究の主旨

北海道における沖合底びき網漁業等では、ウロコメガレイ、カジカ類、大型イカナゴ(以下オオナゴ)、が大量に混獲されているが、食用として利用が少なく、一部は漁獲後直ちに海に戻されており、これら食用利用の少ない地域資源の活用が関係業界から期待されている (Fig.1)。一方、鶏卵業界では採卵鶏が鶏舎単位で全群更新方式が採用されて以来、産卵率の低下した20カ月齢の成鶏が、一度に数万羽単位で採卵廃鶏となっている。廃鶏はブロイラーに比べ肉質が劣り、産肉性も乏しいことから、濃縮スープの具材やソーセージ等に利用されてきた。しかし、廃鶏肉そのものを活用したゲル化食品に関する研究は少ない。
本研究では、道内各地域において食用として利用が少ない魚から、スケトウダラの代替となる冷凍すり身化技術を確立するため、原料の性状とゲル化特性の関係把握や最適な冷凍すり身製造条件について検討した。また、これら食用としての利用の少ない魚から製造したすり身と廃鶏肉との異種筋肉タンパク質の混合等による物性改善技術を開発した。

1.北日本や日本海のスケトウダラ漁等で混獲されるウロコメガレイからすり身を調製した。ウロコメガレイすり身の加熱ゲルは、スケトウダラすり身(陸上2級) と類似したゲル化特性を示し、特に20℃以下の低温坐りが効果的であった。また、すり身の色調(白色度)は非常に白く、高級かまぼこ原料としての活用も期待される。

2.カジカ類(主にオクカジカ)は道東沿岸のシシャモ漁等により混獲される。オクカジカすり身のゲル物性は、直加熱ではスケトウダラすり身と同程度で、坐りによる物性改善効果はみられなかった。また、すり身の白色度はスケトウダラすり身のそれとほぼ同レベルで、かまぼこ原料として利用可能と考えられた。

3.オオナゴは道北地域で沖合底びき網漁業により漁獲されるが、一部の食用とされる以外はそのほとんどが養魚用餌料用として利用される。オオナゴすり身のゲル物性は、直加熱では破断強度がスケトウダラ陸上すり身と同程度であったが、破断凹みは半分以下の値であった。また、原料鮮度はゲル物性に大きく影響することがわかった。

4.これら各種すり身と鶏挽肉を混合した加熱ゲルのゲル物性は、魚種の違いや鶏卵白添加の有無により、破断強度や破断凹みが著しく異なり、混合比率調整や鶏卵白添加有無により、効率的な物性改善が可能であった。

5.オオナゴすり身と鶏挽肉との混合加熱ゲルでは、ゲル剛性と破断強度との関係はいずれの混合比でも直線式で正の相関が認められ、オオナゴすり身の混合比の多い試料では物性改善には鶏卵白の添加効果が大きいことが確認された (Table 1)。

本研究の推進により、北海道における食用としての利用の少ない魚のすり身化技術が確立され、また、これらのすり身と異種筋肉タンパク質との複合によりゲル化食品が創出できた。そのことにより食用としての利用の少ない魚と採卵廃鶏の有効利用と付加価値向上が図られ、今後の北海道の漁業・水産加工業等の地域産業の活性化に繋がるものと期待される。

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