アカデミックプラザ2013

研究概要

食品マイクロカプセルの開発

研究機関名

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 鳥居研究室

代表者

鳥居 徹

本研究の主旨

1.はじめに
現在サプリメントの経口剤は数多く存在するが、それらはサイズが大きく、臭いの問題があり飲みにくさが指摘されている。そこで本研究室では食品に使用できる油脂や食品添加物を用いてサプリメントとして応用できる食品マイクロカプセルを開発した。魚油やそれに含まれるDHA、EPAといった油系栄養素を内包したサプリメントを想定して、内油相に食用油を使用し、皮膜剤としてアルギン酸カルシウムゲルを使用したマイクロカプセルを作製した。これまでは大きなカプセルであったDHAなどのサプリメントもマイクロカプセル化技術によって小型化することにより、臭いを抑えて非常に飲みやすくなると考えられる。このため嚥下力が低い幼児や高齢者でも容易に摂取でき、また臭いによって若者たちに敬遠されがちであった問題も解決することができると考えている。将来的には小型サイズや無臭であるメリットを活かし栄養ドリンクやドレッシングに混ぜて使用する用途も検討している。

2.方法
油相のひまわり油と水相のアルギン酸ナトリウム水溶液および界面活性剤(MSW-7S) 0.1[wt%]を1:6の体積比で機械攪拌して、Oil-in-Water (O/W)エマルションを作製する。同エマルションを微小流路に送液して、液滴化することで水相内に内油相が分散しているOil-in-Water-in-Oil(O/W/O)型ダブルエマルションを生成した。その後、塩化カルシウムを添加したアガロースゲル上に静置させることで、アルギン酸ナトリウムをゲル化させ、マイクロカプセルを作製した。

3.結果
写真に示すようなマイクロカプセルが完成した。直径約140[µm]、粒径の分散を示すCV値は2%前後と非常に単分散性の高いマイクロカプセルが作製できた。また香気成分のアルカンC7H16~C13H28と酢酸イソアミルを内油相に1000[ppm]添加し、GC(Gas Chromatography)にて1,3,7,10,14日間の測定を行った。2週間の測定結果、香気成分の拡散は見られず、同期間中における香気成分の封入が確認された。

4.まとめ
食用油脂、食品添加物を使用し、単分散性が極めて高く、香気成分も封入できるマイクロカプセルを、微小流路を用いて作製した。カプセルの長期間安定性を保つために更なる改良を加えるとともに、サプリメント成分を封入して効果を確認し、食品マイクロカプセルの1つの製法として確立させたいと考えている。

図1. 作製したマイクロカプセル

図2. 実験装置

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