アカデミックプラザ2013

研究概要

1.トマトが緊張すると人のストレスは緩和する?
2.励起・蛍光マトリックスによる食肉の清浄度評価技術の開発

研究機関名

東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物・環境工学専攻 生物プロセス工学研究室

代表者

大下 誠一

本研究の主旨

1.トマトが緊張すると人のストレスは緩和する?
青果物の鮮度保持に利用される手法であるModified Atmosphere Packaging (MAP)でトマト果実を保存し、低O2ストレスを与えることによって、ストレス緩和作用等で知られる機能性物質「γ-アミノ酪酸(GABA)」を蓄積させる研究を行った。 その結果、25℃以上、11% O2濃度条件下で貯蔵した場合、6~7日後には有意にGABA蓄積が促進されることが確認された。これは、GABA生成酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ活性の増大と、GABA分解酵素であるGABAトランスアミナーゼ(GABA-TK)活性の低下が主な原因であることが明らかになった(図1)。
2.励起・蛍光マトリックスによる食肉の清浄度評価技術の開発
励起/蛍光マトリックスを利用して、豚肉表面のATP量および一般生菌数推定モデルを構築した。豚肉試料を15℃で72h保存した。12h毎に蛍光分光スペクトル(4枚/回)を取得し(図2)、蛍光強度の対数を変数としてPLS回帰を行った。その結果、表1に示すように、一般生菌数、ATP量ともに潜在変数が3のときに、相関係数が、それぞれ、0.93および0.91、予測値と実測値の誤差の二乗平均平方根が、それぞれ、0.61および0.55となり、高い精度のモデルが構築された。

図1. トマト果実中γ-アミノ酪酸(GABA)経路関連物質濃度および酵素活性に及ぼす低O2の影響。上向きおよび下向き矢印は、O2低下とともに有意に上昇および低下する物質濃度または酵素活性を示す。黒矢印は、嫌気状態で有意に増える物質。GABA-TK:α-ケトグルタル酸依存GABAトランスアミナーゼ、GABA-TP:ピルビン酸依存GABAトランスアミナーゼ、GAD:グルタミン酸デカルボキシラーゼ、SSADH:コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ。Printed with permission from Mae et al., J. Agr. Food Chem. 60, 1013-1019 (2012). Copyright (2012) American Chemical Society

表1. PLSR回帰分析によるATP量および一般生菌数推定モデル

図2. 豚肉表面の励起/蛍光マトリックスにおける回帰係数(保存72hにおけるデータ)
回帰係数が高い順
①Ex = 420 nm, EM = 595 nm, ②Ex = 415 nm, EM = 595 nm(Znプロトポルフィリン)
③Ex = 420 nm, EM = 650 nm (プロトポルフィリンIX)
④Ex = 450 nm, EM = 530 nm (リボフラビン)

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