アカデミックプラザ2013

研究概要

光照射が収穫された地域農水畜産物の貯蔵・乾燥に及ぼす効果

研究機関名

八戸工業大学・大学院工学研究科・機械生物化学工学専攻・食品科学工学研究室

代表者

青木秀敏

本研究の主旨

1.研究の要旨
現在、農水畜産物の乾燥はほとんど温風乾燥法で行われている。一方、昔からの天日干しは天候に左右されるが、温風乾燥品より美味しいと言われている(図1、図2、図3))。その理由の一つが太陽光線の中でUV-Aのような波長の短い光の効果であることを実験的に証明し、UV-Aを人工的に照射することで天日干しの旨さを超える乾燥物を製造できることを突き止めた。さらに、アミノ酸だけでなく、イノシン酸などの核酸、GABA等の生理活性物質、ポリフェノールなどの抗酸化性も光照射で増大することを明らかにした。
さらに、このUV-A照射は野菜や畜産物の貯蔵にも効果があり、出荷後の野菜に光照射することで品質を保ったまま、栄養価の向上した野菜等を流通させることが可能になる。
2.UV-A照射乾燥および光照射貯蔵の特徴
①味
UV-Aは皮膚の約5mmまで透過すると言われているので、表面だけでなく、内部まで効果が行き渡る。UV-A照射乾燥物の味を一言で表現すると、“コクのある旨み”である。
②表面の色
生イカをUV-A照射乾燥すると、イカ特有の茶褐色が薄くなったスルメが得られる。このように、UV-A照射すると表面の色が白っぽくなり、見栄えが向上する。
③鮮度保持
UV-A照射乾燥スルメの生菌数は非照射温風乾燥の場合の概ね1/30以下になった。 紫外線は殺菌効果を保持しているので、鮮度保持には効果的であり、保存性が増し、日持ちも向上する。
④UV-A効果(鮮度、温度)
UV-A照射は酵素活性に影響を及ぼしていることを試験管スケールで確認している。そのため、鮮度が良い程UV-A照射効果が大きく表れ、実際冷凍品に比べ生鮮品の方が、アミノ酸量増大効果が大きく表れている。また、5°C程度の低温下の場合でも遊離アミノ酸量が1.4倍増加している(図4)。
⑤貯蔵時における野菜の健康成分向上
野菜の冷温貯蔵時に、UV-A or 短波長の可視光を人工的に照射することにより、アスコルビン酸含量、抗酸化性の指標が増加した。
3.想定される用途
イカ、アジの干物のような乾物、桜海老、アワビのような水産物、昆布、ワカメ、海苔のような海藻類、椎茸、マツタケのようなキノコ類、干し柿、干しブドウのような果樹類、お茶、籾等の穀類、切り干し大根のような野菜類、せんべい等の農産物加工品、オープンショーケースや冷蔵庫での貯蔵等、水産物から農産物まで幅広く適用可能である。
4.期待される経済効果
UV-A照射乾燥法を鮮度が良い程効果が大きく、地域の農林水産業から特産品を生産・販売することにより、地域活性化に貢献し、第6次産業化に向けた新市場が創出される。

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図1. イカの天日干し風景(北海道松前町)

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図2. 白菜の天日干し時間とアミノ酸総量との関係

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図3. 2時間天日干し白菜の旨味甘味アミノ酸量と苦味アミノ酸量の変化

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図4. 乾燥時におけるアミノ酸含量変化(イカ・5°C)

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