2017国際食品工業展

6月13日(火)~6月16日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

外力と指骨損傷レベルに関する検討
-骨折リスク評価用ダミー指の開発および現場への応用―

研究機関名

山梨大学工学部機械工学科伊藤(安全医工学)研究室

代表者

伊藤安海

本研究の主旨

1.はじめに
手指に関する災害は日常生活の様々な事故によって発生している.そこで,食料品加工機械の安全設計が重要であり,そのためには,外力によって手指が受ける損傷レベルの正確な推定が必要である.しかし,手指損傷に関する生体力学的な研究はほとんど行われておらず,その評価手法が確立されていない現状である.
 本研究では,ヒト指に対する衝撃力と損傷レベルの関係を明らかにするために,ヒト指形状を再現したロードセル(フィンガーテスタ)およびヒト指軟組織硬度を再現した人肌ゲルに対して動的落下試験を行った.その際,衝突物先端の形状(角度)骨折の有無の評価から,その影響の考察をした.
 また,有限要素法を用いたコンピュータシミュレーションソフトMECHANICALFINDERを利用し,CTスキャンデータから要素ごとの骨密度を考慮した3Dモデルの作成およびその解析を行った.実験によって得られた骨折荷重値の比較から解析精度の検証や,ヒト指とブタ尻尾の骨折形態の比較を行った.

2.供試材および実験方法
2.1 供試材
 ヒト皮膚と同等の硬度を有する人肌ゲル(超軟質ウレタン造形用樹脂)を用いる.圧力分布確認のために下に感圧フィルムを配置する.
2.2 実験方法
 Fig. 1に示す落下衝撃試験機を用い錘を落下させ,軟組織を透過した荷重を,Fig. 2 に示すヒト指形状を再現したロードセル(フィンガーテスタ)で測定する.衝突物先端形状が手指骨折リスクに及ぼす影響を調査する目的で, Fig. 3に示す先端の角度が異なる3種類の錘(190g)を用いた.

3. 実験結果および考察
 先端形状(角度)と最大衝撃荷重の関係を人肌ゲルの厚さごとにFig. 4の(A) ~(C) に示す.Fig. 4 (A) (B) に示すように厚さ5,3mmの場合,先端形状の違いによる最大衝撃荷重の差異は見られず,ある程度軟組織が厚い場合,動的速度域において先端角度は最大衝撃荷重にあまり影響しないことが確認された.それに対しFig. 4 (C) に示すように厚さ1mmの場合,先端角度が小さいほどより大きな透過荷重が確認された.
 また,感圧フィルムはFig. 5に示すように衝突箇所にのみ色の変化が生じ,いずれの条件においても裂けが生じた.

4.FEM解析
ブタ尻尾に対してFEM解析を行った結果をFig. 6およびTable 1に示す.ブタ尻尾に対する静的圧縮試験において得られた骨折荷重の実験値とFEM解析の結果は近い値をとり,FEM解析が指骨骨折リスク評価に有効なツールであることが確認された.

5.ダミー指の開発
 FEM解析結果より,圧力の分布面積とその総和(負荷荷重)が得られれば,骨折荷重が精度良く評価可能であることが明らかとなった.そこで,模擬骨および疑似皮膚を用いて疑似骨にかかる圧力を測定可能なダミー指の開発を目指している.

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