2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

高圧処理による低塩食肉製品製造の試み

研究機関名

新潟大学地域連携フードサイエンスセンター (農学部 応用生物化学科 畜産製造学研究室)

代表者

西海 理之

本研究の主旨

 食品加工への高圧処理の利用は、約30年前に日本で初めて提唱された新しい技術であり、この概念は現在のどの加工技術とも全く異なる。それ故、まだ確立された技術とはなっていないが、最近,世界的に「非加熱食品加工技術」として注目され、また現在,学術的知見がかなり蓄積されてきており、世界中で食品製造・加工技術へと展開しつつある。今回は、近年の消費者の健康志向に対応するため、低塩で重合リン酸塩無添加の食肉加工品を開発することを目的に、当研究室で長年技術開発を行ってきた高圧処理技術を用いた低塩食肉製品の製造を試み、低塩での牛肉ゲルの物性,生化学的および組織学的特性ならびに官能特性に及ぼす高圧処理の影響について検討したデータを紹介する。本研究結果の概要は、以下の通りである。
(1) 200 MPaの高圧処理により、低塩・重合リン酸塩無添加牛肉ゲルの加熱ゲル化が促進され、高い弾力性とジューシーさを有し、且つまとまりの良いゲルが調製できた。また官能評価からも、「ジューシー」、「残留感がない」、「飲み込みやすい」、「まとまり感がある」、「しっとり感がある」、「弾力がある」、「おいしい」などの項目で高い評価が得られ、高圧処理を用いることで、重合リン酸塩を添加しなくても、低塩で十分においしさを発揮できることを明らかにした。
(2) 生化学的および組織学的特性の検討から、200 MPaの高圧処理によって筋原線維タンパク質の変化が誘導され、筋原線維構造の脆弱化や筋フィラメントの分散が起こることを示唆した。SEMにおいても高圧処理低塩牛肉ゲルの非常に緻密な三次元網目構造が観察され、低塩で重合リン酸塩無添加でも牛肉ゲルのテクスチャーを大幅に改善できることが示された。

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