2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

噛むことから始まる健康長寿

研究機関名

新潟大学 地域連携フードサイエンスセンター
新潟大学 大学院医歯学総合研究科 摂食・嚥下リハビリテーション学分野

代表者

井上 誠

本研究の主旨

日本では,平均寿命の延びを反映して高齢者率も伸び続け,2017年には27%を超えて,今や4人に1人が高齢者の時代である.人口の高齢化や疾患の多様化が進んだことにより,生き延びることのみではなく,どのように生きるかという生活の質(Quality of Life, QOL)を考えることに注目が集まっている.ことに,高齢者の楽しみのひとつである「食べる」ことは,生活の中でも重要な要素である.高齢者では,食べる機能の衰えにより誤嚥や窒息などが原因で亡くなる人の数が多い.食べることを考える上で,食べる側の「ヒト」と食べられる側の「食品」を研究対象として,どのようにすれば「咬みやすく」,「飲み込みやすく」,「誤嚥しにくい」食品ができるか,食の楽しみを保てるかを知ることが必要である.
これまで我々は,高齢者や嚥下困難者がもつ機能低下を正しく把握し,それぞれの症例(障害)に応じた食品学的対応を行うための第一段階として,正常な嚥下動態を定量化したり,食品の物性条件が摂食運動に与える影響を調べてきた(図1).近年,FOOMAでの交流を起点として,さまざまな食品企業との共同研究を行ってきた.そこには,餅食品の安全性を検証したもの,錠剤の形状などが飲み込みに与える影響を調べたもの,高齢者にやさしい紙パックの形状についての検証などが含まれている.さらに2016年,内閣府の地域創生事業への採択を果たし,米加工食品を対象として実験を行い,丸のみできるようないわゆるミキサー,ペースト食品が安全な食品とはいえないことが判明し,口腔機能の改善を図ることで食品の形態は大きく変えられる可能性を模索している(図2).
わたしたちの研究が,食品産業における消費者の多様なニーズに対応し,食品技術の向上や発展に寄与できることを願っている.
図1.米飯摂取時の筋電図および内視鏡画像の同時記録.a咀嚼中の食塊の咽頭への流れ込み(矢印),b嚥下直前,c嚥下中,d嚥下後.
図2.米飯摂取の食品の硬さ.自然咀嚼時の個々の被験者の咀嚼時間を100%として,50%,150%時の硬さを比較した.米飯摂取の咀嚼時間は被験者ごとに異なるが,それは咀嚼能力の差ではないことを示唆する.

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