2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

高付加価値乳酸菌株の応用利用のためのデータベース

研究機関名

東京農業大学 生命科学部 分子微生物学科 複合微生物学研究室

代表者

内野昌孝

本研究の主旨

近年,乳酸菌の腸内における機能性について研究が進み,様々な報告が出されている.その中には,死菌でも効果が確認され,さらに,健康だけでなく精神面まで影響しているとの報告も含まれている.
 東京農業大学の菌株保存室は乳酸菌を中心に保存・分譲業務を進め,その菌株数は非公開株も含めて5000株に上る.学内プロジェクトの一環として様々な乳酸菌の健康機能などに関するデータを取得,データベース化を進めた.これにより,機能性の高い乳酸菌の選択および利用が比較的簡便になる.ここでは各有用データおよびデータベースの紹介を行う.
(1)乳酸菌の安全への貢献
 乳酸菌株の有用性評価の一つとして今後発展すると考えられる食品保存性向上のためのバクテリオシン産生能に着目した.供試菌株の中からバクテリオシン産生株をスクリーニングし,産生株についてはその抗菌スペクトルを解析した.
(2)乳酸菌の健康への貢献
 乳酸菌はヒトに健康効果をもたらすプロバイオティクスとして認識されているが,未だ機構については不明な点も多い.現在の研究では乳酸菌の菌体外多糖やペプチドグリカンといった細胞表層の成分が TLRs に作用することで免疫活性が上がることが明らかになっており,我々は細胞壁成分の中の酸性多糖であるテイコ酸における新たな免疫誘導機構の可能性を見いだしている.そこで,本研究では供試菌株のプロバイオティクス特性を評価するために,胃酸耐性,胆汁酸耐性,細胞付着能を調べ,また,プロバイオティクスとして必要な条件である薬剤感受性についても評価した.
(3)乳酸菌のおいしさへの貢献
 乳酸菌は通性嫌気性細菌で,基本的には酸素を好まない細菌であるが,一部の乳酸菌では好気条件下で乳酸と共に酢酸やコハク酸を産生することが知られる.その他,物質を還元することによる培地条件によっても代謝産物は変化し,菌株によって産生する物質は多種多様である.そこで本研究では乳酸菌による風味に関連する物質の産生について,LC-MS や GC-MS で分析し,ユニークな性状を有する菌株を見いだした.
(4)乳酸菌の性状のプロファイル化とデータマイニング
 上記の有用性状データに基づいて乳酸菌株をプロファイル化し,菌株を選抜し応用するための情報基盤としてデータベースを構築した.また,特徴ある利用法に則したデータマイニングが可能となるスキームを構築した.

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