2017国際食品工業展

6月13日(火)~6月16日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

有用微生物を活用した発酵食肉製品の開発

研究機関名

地方独立行政法人北海道立総合研究機構食品加工研究センター

代表者

小林 哲也、田中 彰

本研究の主旨

当センターは、有用微生物を肉塊内部に接種して発酵を促進させる技術を開発し、共同研究機関において100日熟成生ハムとして製品化している。しかし、揮発性成分や遊離アミノ酸の生成におよぼす接種菌株の影響や、製造期間短縮における塩漬方法の影響などは十分に評価しておらず、検討の余地が残されている。本研究では食肉製品の品質向上・製造期間短縮につながる有用微生物の評価および塩漬工程の効率化に向けた無針型液体注入装置の性能評価を行った。無針型液体注入装置は水圧によって液体を注入するため、針折れによる異物混入の危険性が少なく、高度な洗浄技術を要しない機能を有している。
ブドウ球菌を接種して発酵させた豚挽肉の揮発性成分を分析したところ、Staphylococcus xylosus バルナバ(共同研究機関現行製品使用菌株)を接種した豚挽肉と比較して、S. xylosus No.120を接種した豚挽肉では揮発性成分量が3倍以上になること、S. carnosus No.168を接種した豚挽肉では揮発性成分の組成が変化することが明らかになった(図1)。No.120株およびNo.168株を接種して試作した生ハムは、共同研究機関現行製品と比較していずれも揮発性成分が豊富であった。また、No.120株を接種した試作品ではケトン類の生成が多い傾向、No.168株を接種した試作品ではケトン類の生成量が少ない傾向が観察された(図2)。両試作品の揮発性成分が共同研究機関現行製品よりも豊富な傾向は熟成78日でも同様であり、両試作品の品質と共同研究機関現行製品(熟成100日)の品質を比較したところ、香りや風味、旨味には有意な差はみられず、試作品は短期間の熟成でも同等の品質を有していることが示唆された(表1)。また、無針型液体注入装置で注入した塩水や菌液の肉塊中での分布は、一本針で注入した場合と同様であった。
これらのことから、接種菌株を選抜した菌株に代替することで、品質向上や製造期間短縮につながることが示唆された。また、塩水や菌液の注入に無針型液体注入装置を用いることで、塩漬工程の簡略化、省力化につながることが示唆された。

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