2018国際食品工業展

6月12日(火)~6月15日(金) 東京ビッグサイト・東1~8ホール 10:00~17:00

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研究概要

ソーセージ用豚腸ケーシングの品質向上におけるアルカリ塩処理の効果

研究機関名

麻布大学 獣医学部 動物応用科学科 食品科学研究室(にゅう肉組)

代表者

坂田亮一

本研究の主旨

現在、人工ケーシングの種類は多岐にわたっているが、天然ケーシングの需要は依然として下がっていない。天然ケーシングは生体時の飼育環境、疾患の有無、加工時における損傷など様々な影響を受けやすく、人工ケーシングに比べその品質にバラつきが顕著である。また、低品質な天然ケーシングを用いて製造されたソーセージは、噛み砕いたときにケーシングの組織のみが口腔内に残るという問題点がある。
本研究室ではアルカリ処理による羊腸ケーシングの実験を行い、1%Na3PO4処理によって有意な軟化効果が認められたと報告している。本研究では、豚腸ケーシングの軟化に着目し、Na3PO4の効果を調べることを目的とし、その物性およびケーシング由来微生物への影響について検討した。
破断特性試験より、リン酸塩処理によるケーシングへの軟化効果を得られた。観察においてリン酸塩浸漬ケーシングの方で表面全体が滑らかに感じ、ソーセージ充填時の滑りを確認することが出来たため、ケーシングの脆弱化が考えられた。また歪率に変化がないことから、リン酸塩処理してもソーセージのクリスピー感に影響しないことが考えられた。細菌検査では生菌数の一般生菌・大腸菌群・黄色ブドウ球菌において生菌数が減少している傾向が見られ、これらの試験から微生物制御にも有効であると考えられた。
色調検査ではL*値はNa3PO4浸漬2時間区で高い値が出て、Na3PO4浸漬1時間区でa*値とb*値で高値を示した。これにより、リン酸塩処理による色調への効果も見られた。官能評価ではリン酸塩によるケーシングの効果が見られたが、目視による色調への評価は変化があまり見られなかった。硬さや噛み切りやすさではリン酸塩処理を施したケーシングの方で評価が高い傾向が見られた。
 本研究結果から、リン酸塩処理により豚腸ケーシングの軟化効果、微生物増殖抑制およびソーセージ製造における品質向上への効果が認められた。

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