2019国際食品工業展

7月9日(火)-7月12日(金) 東京ビッグサイト・東1-8ホール 10:00-17:00

研究概要

クリーミー食感のテクスチャマッピング
~破壊過程に着目した食感発現メカニズムの見える化~

研究機関名

明治大学 農学部 農芸化学科 食品工学研究室

代表者

中村 卓

本研究の主旨

食品のおいしさに重要な食感(テクスチャ)を分析的に具体化するためには
①食感の分類と相関(知覚レベル∝認知(感性)レベル)
②咀嚼過程における時間軸の意識化(噛みはじめ→嚥下後)
③食品構造の形成と破壊
が重要である.
現在の食品開発では,かたい・やわらかいと言った知覚レベルの食感ではなく,感性的な認知レベルのおいしい食感の実現が求められている.そのためには,おいしさを表現する感性的な食感表現(クリーミー)を具体的に制御可能な食品属性(やわらかさ・なめらかさ)に見える化する必要がある.さらに,食品構造の破壊過程に着目した物性測定(力学特性)・構造観察(幾何学特性)を行い,官能評価と相関づけることによって,具体的においしい食感をデザインできる(図1).
おいしい食感をデザインするための手法として2次元テクスチャマッピングを開発した.おいしい食感を,咀嚼中の知覚食感の変化に対応した機器分析結果の変化として2次元マッピングする.そうすることにより,「クリーミー」で表現されるおいしさを表現する感性食感を「ヒトそれぞれ」の一言で終わらせるのではなく,2次元テクスチャマップ上のどの物性をどのタイミングで重要視するのかが異なるためと説明できる.さらに、食品によりおいしいクリーミーが違うのはクリーミーと評価する際の物性とタイミングが異なるためと説明でき、色々な食品の具体的な開発につなげられる.
本研究では、プリンの「クリーミー」について検討した.実際の食品は原料が多様で,破壊時の構造変化が複雑である.そこで,本研究では実際の食品より原料を単純化したモデルゲルを用い,破壊過程に着目した物性測定・構造観察・官能評価を行い,クリーミーを構造的要因・力学的要因から見える化した.以上の結果を図2にテクスチャマップとしてまとめた.プリンをホエイタンパク質(WPI)-寒天-乳脂肪混合ゲルとしてモデル化することで,プリンの「クリーミー」およびクリーミーに重要な食感の発現メカニズムを構造的要因から明らかにすることが出来た.本研究で明らかにした食感発現および構造形成のメカニズムを元に食品構造を制御することで,より効率的な食品製造・食品開発とおいしい食感のデザインが可能になると期待される.

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