2019国際食品工業展

7月9日(火)-7月12日(金) 東京ビッグサイト・東1-8ホール 10:00-17:00

研究概要

ディープラーニングとコンピュータシミュレーションを融合した調理の最適化

研究機関名

東京海洋大学 海洋生命科学部 食品生産科学科 食品熱操作工学研究室

代表者

酒井 昇

本研究の主旨

【研究目的】
ディープラーニングが考案されて以来、ニューラルネットワーク(NNW)を用いた最適化が種々の分野で行われるようになってきている。調理の分野においても、ディープラーニングを用いて最適な調理条件を学習させ、その食材の条件に合わせて調理の最適化を図ることが考えられる。NNWにおいては多くの学習データを必要とするが、無数の条件で調理実験を行うのは現実的ではない。そこで、まず、調理過程を数学モデル化し、調理過程のシミュレーション技術を確立する。さらに、作成した数学モデルを用いて種々の条件下でシミュレーションを行い、その結果を学習データとしてNNWモデルを構築することを目的とした。
【加熱時間予測と表面温度制御】
本研究ではオーブン焼成を想定し、初期の表面温度上昇から加熱終了時間(中心温度が60℃に到達する時間)の予測を行った。また、肉・魚の焼成を考えたとき、中心に程良く火が通っていて表面が程良く焼けていることが求められ、中心温度と同時に表面温度の制御も要求される。ここでは、加熱終了時に表面温度が設定温度になるように、加熱途中でヒーター温度を下げることで表面温度の制御を行った。種々条件でのシミュレーション結果を学習データとして、NNWモデルを構築したところ、初期温度変化から終了時間および火力調整時間の予測が可能となった。
【結果の検証】
NNWモデルでは、学習させたデータをもとに、最適値が出力される。しかし、出力された値が正しいという根拠は示されず、NNWモデルの欠点といえる。そこで、調理過程の初期温度変化をNNWの入力とし、熱伝達係数、放射伝熱係数のシミュレーションに必要なパラメータも合わせて出力した(図1)。このパラメータを用いて温度分布を計算したところ、元の計算と良好に一致し、仕上がり状態の可視化が可能となった。これにより、出力値が最適かどうかの根拠を与えることになる。

図1 NNWモデル

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