2019国際食品工業展

7月9日(火)-7月12日(金) 東京ビッグサイト・東1-8ホール 10:00-17:00

研究概要

捕獲罠の方法がジビエの肉質に及ぼす影響および加工技術の開発に関する研究

研究機関名

中部大学 応用生物学部 食品栄養科学科 根岸研究室

代表者

根岸 晴夫

本研究の主旨

【研究の背景と目的】
イノシシ・シカ・カラスなどの野生鳥獣による農作物の被害金額は、2013年度が約200億に対して2017年度は約164億円である。図1に示したように、2008年2月に施行された鳥獣被害防止特別措置法によって、地方自治体では様々な被害防止策を進めており、捕獲効果によって被害金額は減少傾向にある。イノシシ・シカに代表される野生動物はジビエと称され、ヨーロッパでは古くから貴族の伝統料理として賞味され貴重なたんぱく質源にもなっている(図2)。しかし、捕獲されたジビエは埋設や焼却によって廃棄され食肉としての利用率は10%以下と低い状況にあり、処分費の増加や捕獲者の捕獲意欲の低下の一因になっている。国としても捕獲によるジビエの頭数削減策を持続可能なものとするために、食肉としての消費振興策について重視しはじめている。消費の向上にはジビエ肉の食品としての安全・安心の確保、流通・物量の安定化、および食肉としての品質・価値の向上策などが挙げられる。
本研究では、ジビエ捕獲罠による肉質の違いと、捕獲時のストレスが肉質に及ぼす影響について検討した。さらに捕獲法と捕獲時のストレスの強さがジビエ肉質に与える影響を解析し、良質なジビエ肉を生産する捕獲罠の方法について提案した。
【捕獲罠について】
家畜ではと畜後の肉質低下を防ぐために、と畜前に休息を与えるなどのストレス低減化処置やストレス耐性品種の導入が行われてきた。ジビエでは捕獲現場で殺処分後に専用の解体処理施設へ運搬されパーツ肉に分割処理される。しかし、捕獲から解体処理までの流れは連続性や迅速性に欠け捕獲・殺処分時に暴れることから、個体へのストレス負荷が大きくなると予想される。ジビエの捕獲法としては、図3に示したように、箱罠、くくり罠が一般的であるが、愛知県農業総合試験場では、ストレスの軽減化を目指して大型囲い罠「おりべえ」の開発を進めている。本研究では、既製の箱罠、くくり罠、および大型囲い罠「おりべえ」によって捕獲されたジビエの肉質を比較すると共に、捕獲時のストレス負荷が肉質に及ぼす影響について調査した。2019 FOOMA JAPANアカデミックプラザにおいては、これまでの研究成果について紹介する。

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