2019国際食品工業展

7月9日(火)-7月12日(金) 東京ビッグサイト・東1-8ホール 10:00-17:00

研究概要

パルスパワーを用いる液体食品の革新的低温殺菌技術

研究機関名

熊本大学 パルスパワー科学研究所 応用バイオエレクトリクス研究室

代表者

勝木 淳

本研究の主旨

液状食品の非加熱殺菌:
パルスパワー(パルス電界:PEF)は、液中に浮遊する細胞(膜構造を有する)を選択的かつ非加熱的に傷害することから、液状食品の非加熱殺菌に利用できる。食品に含まれる分子やクラスター状の粒子状物質へのPEFの直接的な影響は小さいので、原理的に、熱変性を起こしやすいタンパク質等を含む液状食品を本来の風味や物性を保ったまま物理的に殺菌することが可能である。
現状の課題:
しかしながらこれまでの研究では、PEFの殺菌効果が十分でないため、過剰なエネルギー投入によって液体が過熱し、これが実用化への大きな障害となっている。すなわち、PEFの非加熱的な物理殺菌作用が活かされていないのが現状である。
本研究の特徴:
発表者らは、50 kV/cmに及ぶ高電界と最適化されたパルス波形、さらに菌の物性を考慮した液温制御を組合せて、低温(55℃以下)環境下で殺菌効果を劇的に高めることに成功した。このことによって、液体への投入エネルギーを大幅に低減できるようになり、PEF処理に伴う大きな液温上昇を、冷却なしで実用上問題ないレベル(10℃以下)に抑えることが可能となった。
実用化に向けた展開:
本研究は、食品成分を変性させない低温物理殺菌法の実用化への道を拓いた。今後、実用化に向けて液状食品の流量を大きくしたパイロット試験を進める予定である。


以下は4つの図のキャプション:

図1 タンパク性液状食品の加熱殺菌の問題と非加熱殺菌の必要性

図2 PEFと温熱処理を組合わせた連続処理殺菌実験システム、および矩形化された電圧・電流波形

図3 PEF殺菌効果の後保温温度への依存性(CMC溶液、エンテロバクター菌)

図4 PEFと温熱のシナジー効果の仮説(膜損傷によって熱が内部に伝導しやすくなる、または外部の熱い液体が損傷膜を通して細胞内に入る?)

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