2019国際食品工業展

7月9日(火)-7月12日(金) 東京ビッグサイト・東1-8ホール 10:00-17:00

研究概要

糖アモルファス中の水

研究機関名

岡山大学 大学院 自然科学研究科 応用化学専攻 バイオプロセス工学研究室

代表者

今村 維克

本研究の主旨

糖分子がランダムな配向状態で凝集固化したアモルファスマトリクスは,食品素材中に多かれ少なかれ含有される相領域であり,機能性成分の希釈や賦形および不安定成分の包括安定化にも利用されている.そのため,これまでにアモルファス材料の物理化学的特性について盛んに研究が行われてきた.その物理化学特性の一つが“吸湿性(水分収着特性)”でこれまでに何万という数の報文が発表されている.それらの研究では吸湿した水分の状態は「一つ」であると仮定して,物性への議論がなされてきたが,果たしてその仮定は妥当なのだろうか?私たちは種々の糖類からなるアモルファス固体(糖類アモルファスマトリクス)を一定条件で水分収着させ,その収着水の相互作用状態をフーリエ変換赤外分光分析と数学的な手法を用いて解析した.その結果,吸湿水の相互作用状態は5つあり(i~v),それらの内,高度な相互作用(強い束縛)状態にある三つ(iii-v)の収着状態の水がガラス温度を低下させる働き(可塑化作用)を担っていることが分かった.この三つの状態の収着水量は,アモルファスマトリクスを構成する糖の種類によらず,吸湿に伴うTgの低下量と明確な相関関係があることが分かった.また,この三つの状態の収着水は糖の結晶化を促進する働きがあることを明らかにした.一方,糖類アモルファスマトリクスの物理化学的特性に関与しない(i, ii)の収着水はマトリクス固体表面あるいわ表層に吸着したものと考えられる.

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