発芽野菜の栄養・機能性を向上する方法研究;高圧静電場による肉の凍結‐解凍特性研究
研究機関名
中国農業大学 食品科学・栄養工学部 食品加工と貯蔵工学研究室
代表者
薛文通
本研究の主旨
(1)発芽野菜とは、もやし、豆苗のような豆類や穀物、野菜などの種子を発芽させたもので、新芽や苗を食用とするものである。「スプラウト」とも呼ばれている。発芽野菜は、発芽前の種子と比較して、ビタミンやミネラルなどの成分が増加することから、近年の健康志向の高まりとともに世界的に需要が伸びてきている。また、発芽野菜の種類も増加しており、ブロッコリー、ソバ、アルファルファなど多岐に渡っている。さらに、発芽野菜の機能性成分も注目されており、もやしに含まれる4-アミノ酪酸(GABA)、ブロッコリーに含まれるスルフォラファン、ソバに含まれるルチンなどが種々の機能性を有するという報告がある。一方、微酸性電解水は、塩酸溶液などを電気分解処理したもので殺菌活性を有し、農産物の病害予防などに用いられている。本研究では、微酸性電解水などの機能水処理が、ブロッコリーやそばなどの発芽、生長、および活性物質含量などに与える影響について検討を行った。
(2)高圧静電場(High voltage electrostatic field,HVEF)による肉の解凍は、通常の解凍法と異なり、電流が流れないため、エネルギー消耗が少ない。特に近年、HVEF解凍法は省エネルギーという面でますます注目されている。本研究では、肉の解凍効率を向上させるために、電場の条件検討を行った。また、解凍後の肉の品質、マイクロ構造、水結晶、およびタンパク質の構造変化についても考察した。