ベニバナの収穫・乾燥の効率化と抽出成分の機能性評価
研究機関名
山形大学 農学部 食料生命環境学科 生産機械研究室
代表者
片平光彦
本研究の主旨
ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)は黄色(サフラワーイエロー)や紅色(カルタミン)の2種類の色素を含み、紅色を中心に染め物などに古くから使われている。本研究では、黄色色素フラボノール類の健康食品としての機能性成分に着目し、収穫・乾燥作業を効率化して有用成分の大量抽出に繋げて地域を活性化することを目的とした。
収穫した花弁(乱花)と総苞は110℃と95℃で10分ずつサンプルを約5g乾燥することで70.85%(標準偏差:0.59)、70.61%(0.42)の水分であり、公定法(減圧70℃,5時間)と同等の結果が得られた。80℃に設定した温風乾燥では花弁と総苞の乾燥速度が3.09%/hで70.6%の水分が除去され、23時間で絶乾できることが示された。また、乾燥したベニバナからは生活習慣病の血糖値上昇を抑える黄色色素フラボノールの6-Hydroxykaempferol-3-O-glucosideと6-Hydroxykaempferol-3-O-rutinosideの2種類を抽出した。これら2種のフラボノール類は、α-グルコシダーゼ酵素阻害活性試験(in vitro)で強い阻害活性が認められた。