アカデミックプラザ

研究概要

未利用海藻ダルスの産業利用に関する研究
- 加工上の問題点とその解決方法 -
Research for the practical application of unused marine red alga, dulse (Palmaria sp.)
- Problems on processing and their resolving methods -

研究機関名

北海道立工業技術センター 研究開発部 食産業技術支援グループ

代表者

木下 康宣

本研究の主旨

我が国で食用として利用されている海藻には、褐藻に分類されるコンブやワカメなどの他、紅藻に分類されるスサビノリや緑藻に分類されるアオノリなどがあるが、産業利用されていない海藻の一つに紅藻の一種であるダルス属(Palmaria sp.、以下ダルスと称する)がある。
我々はこれまでに、この海藻の素材特性・利用適性に関する研究を進めた結果、コンブやワカメなどの海藻とは異なり、一定条件の処理で緑色化させたものは120℃で15分もの加熱を施しても緑色が失われないという、優れた食品科学的特性を有していること(H26年度)および、②眼の水晶体や黄斑部に多く存在し、強い抗酸化性や遮光性を有することが報告されているルテインや、視力の維持などに効果があることで知られるβ-カロテンが豊富に含まれているといった、優れた栄養機能特性を有していること(H27年度)などを明らかにし、報告してきた。これらの結果は、こうした加熱条件のもとで緑色を保持できる食品素材が他に見当たらないことから、レトルト食品を中心とした加熱調理型の加工品に鮮やかな緑色を添えることができる、新しい食品素材として注目され始めている。
しかしながら、一方では、①水道水でボイルをすると藻体が崩れやすい、②保存環境によっては退色しやすい、③酢に浸けると変色しやすいといった、利用上の問題があることもわかってきた。そこで、本試験では、ダルスの産業利用を進める上で重要となる、利用加工上の知見を得ることを目的に検討を行った。その結果、藻体の崩壊はカルシウムなどの豊富なミネラルを含む天日塩の使用により抑制できること、退色は紫外線量に強く影響されること、変色は有機酸の種によらずpHによる影響を受けることなどが明らかになった。

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