アカデミックプラザ

研究概要

食品のおいしさを演ずる塩の役割

研究機関名

中部大学 応用生物学部 食品栄養科学科 根岸研究室

代表者

根岸晴夫

本研究の主旨

近年の長寿命化に伴い、痴呆症・脳溢血・心筋梗塞が増加しており、その大きな要因は、年齢と共に増加する食塩感受性上昇で生ずる高血圧症といわれている。国は生活習慣病低減への観点から、その対応策として推進しているのが減塩で、一日当たりの目標摂取推奨値は昨年から成人男性 8g/日、成人女性 7g/日と減塩している。日常の食生活を振り返ってみると、近年の食事の欧米化に伴う調味料の高濃度化でその味に慣れ親しみ、結果的に塩分過剰摂取状態になっている。世界には約2,000種類の食用塩があるといわれており、地域に合った製塩法でつくられ、それは大きく分けて岩塩、湖塩、海塩、精製塩に分類される。わが国の製塩地は、自然環境の豊かさからその地域固有の多種類のミネラルを含む塩が生産されている(表1)。また、わが国は地形の関係上岩塩や湖塩は存在せず、もっぱら海水から製塩されており、国が一時期、製塩・販売を専有化しイオン交換法で製塩する精製塩しか使用を認めなかった。しかし、現在では塩の生産販売は自由となっている。
 本研究では、まず代表塩(精製塩、岩塩、海塩の関門の塩)三種類にて塩アイスクリームとソーセージでの食味評価を行ない、NaCl以外の他のミネラルが食味に大きく影響している結果が得られた(図1)、(図2)。次に、豚モモ肉の筋原線維懸濁液を使い塩の種類と濃度の違いによる脱重合反応の様子を観察した結果、筋原線維の溶解性に対する2価金属イオンの影響が観察された。また、ソーセージゲルのモデル系で、塩の種類と濃度がpHとゲル強度に与える影響についても検討を行った。

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