アカデミックプラザ

研究概要

ドライフルーツおよび蜂蜜由来の耐糖性Bacillus属細菌に関する研究

研究機関名

静岡理工科大学 理工学部 物質生命科学科 食品安全学研究室

代表者

宮地竜郎

本研究の主旨

【目的】
糖蔵食品は水分活性値が低く浸透圧が高いため、一般的な微生物は増殖が困難であると考えられる。しかしながら、そのような環境下においても生育・生残可能な耐糖性微生物は糖蔵食品の変敗原因となる。糖蔵食品を変敗させる耐糖性微生物として、zygosaccharomyces rouxii等の酵母が知られているが、耐糖性細菌に関する研究報告はほとんど認められない。本研究では各種ドライフルーツおよび蜂蜜より耐糖性細菌の探索を試み、その耐糖機構を解明することを目的とした。

【方法および結果】
 耐糖性細菌の分離源として市販ドライフルーツ60種類および蜂蜜33種類を使用し、5%グルコース添加栄養培地で集積培養を行った。細菌のみを選抜するため、培養液から0.2%シクロへキシミドを含む同培地に植菌した。細菌の生育が認められた液体培地から5%グルコース添加普通寒天培地に植菌し、1プレート当り30個のコロニーを採り純化を行った。分離した細菌510株に対して、45%グルコース添加普通寒天培地で培養を行ったところ、イチゴドライフルーツ由来の7株(DF-1~7株)およびレンゲ蜂蜜由来のHN-1株の計8株の生育が確認された。この8株の菌種の推定を16SrDNAの部分塩基配列に基づいて行った結果、全ての菌株がBacillus subtilisあるいはBacillus amyloliquefaciensに近縁であることが示された。菌株保存機関から分譲を受けた同一種の細菌に関して耐糖性試験を行ったところ、グルコースに対する生育上限が20%であったことから、分離した8株は基準株等には見られない耐糖性を有することが明らかとなった。グルコース濃度の高い培養条件においても生育の良好なDF-1株およびDF-7株に関して、グルコース添加および無添加の条件下で培養を行い、菌体内タンパク質の発現をSDS-PAGEによって比較した。グルコース添加区からは特異的なバンドが検出されたため、タンパク質の同定をN末端アミノ酸配列に基づいて行ったところグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼと想定された。

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