アカデミックプラザ

研究概要

冷凍食品の長期保存における品質評価

研究機関名

日本大学 生物資源科学部 3次元バイオ構造モデリングプロジェクト

代表者

都 甲洙

本研究の主旨

食品保存における主な品質低下要因は,「微生物の増殖」「化学反応の進行」「酸素の作用」「野菜等の生体物の呼吸作用」「水分蒸発」などを挙げられる.これらの品質低下要因を押さえるために,冷凍技術が食品に応用されている.日本における冷凍食品の年間国内消費量は約276万t/年,21,3kg/人(2014年)で,毎年,増えている.食品の長期凍結保存に伴い,氷の再結晶化が進み,サイズの大きな氷結晶は冷凍食品内部の組織を圧迫・破壊し,食品の品質劣化をもたらす.また,大きく成長した氷結晶は,解凍においてドリップの原因になる.このため,食品の長期凍結保存における品質評価には,食品内の氷結晶の定量化が重要である.本研究の目的は,冷凍食品の長期保存における品質を評価するために,極低温ミクロトームスペクトルイメージングシステム(Cryogenic Microtome Imaging System: CMtSIS)を用い,冷凍米飯内の氷結晶を計測することにある.凍結保存0ヵ月では22.1μmで1ヵ月では32.9μmとなり,約1.5倍大きくなり,2ヶ月から8ヶ月まではそれほど大きな変化が見られなかったものの,9ヶ月では35.1_mで,12ヶ月では37.3_mであった.12ヶ月間における相当円直径の平均値は,0ヶ月の22.7_mに対し,12ヶ月は37.3_mで,約1.6倍大きくなった.冷凍米飯内の氷結晶は,保存期間が長くなるのに伴い,小さな氷結晶が減少し,氷結晶の成長が見られた(図1).一方,米の胴割れは,精米歩留や食味などに影響を与える.図2に炊飯前の浸漬(温度:21.2℃,時間:3min)における胴割箇所の水の浸透を示す.図3に冷凍米飯3粒から得られた切断面における氷結晶を示す.冷凍米飯の切断面は,図中の黄色線の中で,外側は凍結包埋材のOCTコンパウンドである.切断面長さは3.04mmで,米粒一つに相当し,帯状のような箇所は,米粒に胴割れが発生,水分が浸透することで生じた氷結晶であると考えられる.本研究では,対物レンズ20倍と自動XYステージの位置決めにより,元来,冷凍米飯内に存在する氷結晶のミクロからマクロ計測が可能なった.今後,本手法は,米粒の胴割れ箇所の氷結晶を考慮し,広範囲計測における冷凍食品の品質評価に適用されると考えられる.

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