アカデミックプラザ

研究概要

音響信号を利用した生食用天然イワガキ可食部の非開口重さ計量器の開発(第2報 音響式アルキメデス方による推定)

研究機関名

鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 音響応用研究室

代表者

柳本 憲作

本研究の主旨

本研究は,高級食材である天然イワガキの質保証(可食部の重さ明示)を目的に,イワガキの口をこじ開けずに可食部の重さを推定する方法を提案する.夏に旬を迎える天然イワガキは,「海のミルク」と言われ大型殻付きのものが流通の増加傾向にある.イワガキは,養殖牡蠣(真牡蠣)に比べると岩に付着した側の殻の厚みが非常に大きく,見た目の大きさと可食部である中身の重さとの相関が小さい.消費者から「値段の割には中身が小さい」などの不満の声がある.各産地ではブランド化し高級食材として売り出すなど新しい動きもあり,可食部である中身の重さの明示は消費者からのニーズとして重要である.一方で生産者や仲買人からも,非開口による可食部重量の測定装置の開発ニーズが高い.本研究は,イワガキ全体の重さと音響信号を利用した体積の測定により,可食部である中身の重さを推定する方法を考案した.図1にイワガキの断面図を示した.イワガキの身である可食部は,外套膜に覆われ海水を多少包含しているが,本実験では,殻および身の各密度を定数として用い,本システムより計測したイワガキ全体の重量と体積から可食部の身の重さを推定する.本方法によれば,おおよその可食部である中身の重さを推定することは可能であるが,現段階では味の決めてとなる身入り(グリコーゲンの含有量)の推定までには至っていない.
 前回の発表では,イワガキの口をこじ開けずに可食部の重さを推定する方法を提案した.今回,新たに装置を改良し(図2)イワガキの体積測定の精度を向上させた.図3に本改良装置のコンセプトを示す.装置は計量槽と音響測定槽からなる.イワガキが投入されると測定槽の液位が上昇し,測定管(内径7mmの細管)の水位も変化する.測定管の一端にスピーカを取付けて管内の空気柱を共鳴させ,管壁に開けた小さい穴からマイクロホンへ音を導き,共鳴周波数が測定される.投入前後における測定管の空気柱の共鳴周波数の変化でイワガキの排除体積(体積増加ΔV)を算出する.今回,使用する共鳴周波数を高音域にすることで,微小変位にも適応させている.
 また今回,イワガキの測定では個体数を増やすとともに,小型150g~特大690gの種々の重さのイワガキを広範囲に計測し,計算結果と比較を行った(図4).

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