アカデミックプラザ

研究概要

食品製造への放射線殺菌利用の途を拓く!- 加熱・精油成分とのコラボによる新しい殺菌法

研究機関名

大阪府立大学 大学院 工学研究科 量子放射線系専攻 量子線化学生物学研究室

代表者

古田 雅一

本研究の主旨

ガンマ線や電子線による放射線滅菌は日本では医療器具の滅菌に普及している。食品では諸外国においては拡大しつつあるが、日本ではジャガイモの芽止め以外には認められていない。しかし、近年食品用の包装容器の滅菌への放射線利用が注目されつつある。
一方、香辛料に含まれる精油成分は天然由来の抗菌物質としてよく知られており、加熱や放射線などと併用することで、それぞれの処理で損なわれる恐れのある材質劣化や安全性低下の危険性を軽減することが期待できる。過去の文献によると、加熱処理と精油成分を併用することにより、それぞれを単独で用いるよりも殺菌力が高まるという報告があり、放射線照射と精油成分の併用についての研究も進んでいる。これらの殺菌方法の併用条件をさらに検討し、殺菌処理後の生残菌の回復及び発育挙動についての知見をさらに蓄積することで、より殺菌の最適化を図ることが期待できる。
そこで我々は、細菌芽胞に対してより殺菌効果が高く、かつ処理量が少ない殺菌方法の組み合わせ方を模索することを目的とする研究を行った。細菌芽胞は殺菌ストレスに高い抵抗性を示し、殺菌処理後も生残するリスクが高く、品質との関係で十分な殺菌が困難である。加えて細菌芽胞の発育には休眠状態の解除から栄養型細胞へと成長し、対数増殖に至るまでの連続的なプロセスがあり(図1)、より適切な殺菌を行うには、細菌芽胞の発育状態と各殺菌処理の作用機作を関連させることが重要である。
本研究では、放射線と加熱および香辛料に含まれる精油成分との併用による相乗効果を、細菌芽胞を対象に検討し、精油成分について有効な適用の方法条件を導出することを目指す(図2)。

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