アカデミックプラザ

研究概要

電気インピーダンス特性を利用する加熱調理された食肉の表面層と内部層の分離評価技術
(電子の舌が肉の焼き具合をチェック!)

研究機関名

筑波大学 システム情報系 知能機能工学域 音響システム研究室 バイオ・環境計測グループ

代表者

水谷 孝一

本研究の主旨

【背 景】食品加工において多種多様な加熱機器が開発されており,設定できる変数も多種多様に渡り,最適な加工条件決定は難しいものとなっている.その中でも食品の加熱工程は食肉の価値を決定する最も重要な工程である.その加熱条件設定のほとんどは,人が経験的な知見に基づいて決定する場合が多い.そこで,加熱対象の食品の状態変化をモニタリングする技術が不可欠であると考えた.
【提案技術】交流電流の流れやすさの指標であるインピーダンスを測定し,食品の加熱調理における品質の評価を試みている.例として,“食肉”の加熱過程を挙げ,加熱による肉汁量や食感の評価の指標としてインピーダンス特性を利用することを提案する.交流電流を流し計測する電極の配置を工夫することにより,食品を非破壊にて,表面と内部の状態を計測できることが特徴である.
【実験方法】厚さ10㎜の豚ヒレ肉をいくつかの加熱条件で加熱を行い,表面層と内部層が異なる状態の試料を準備した.インピーダンスアナライザに2つの電極を試料片側に接触させ,もう1つの電極を2つの電極とは異なる反対側の面に接触させた状態で複素インピーダンス特性を計測した.2つを計測用電極,残りをガード電極として切り替えて使用することで,試料に流れる電流経路を変化させて,対象の表面層付近および内部層の複素インピーダンス特性を計測することを試みた.
【実験結果】表面層付近に対応する表面インピーダンス(電極1と電極2が計測電極)は,焼き色が強くなるほど増大することがわかった.内部層に対応する体積インピーダンス(電極1と電極3が計測用電極)は,加熱温度や加熱時間といった加熱の進行に依存し,表面状態の影響を受けづらいことが示せた.このことから表面層と内部層の分離計測を行えた.したがって加熱により生じる食肉内部の不均質な物性の評価も対応できる可能性が示唆された.

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