アカデミックプラザ

研究概要

食品加工廃棄物から製造したエキスを用いた過冷却保存技術とその用途性

研究機関名

関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 天然素材工学研究室

代表者

河原秀久

本研究の主旨

氷結晶制御物質は、氷結晶の核形成および成長に関連した物質の総称である。図1に示したように、この物質は氷の核形成を促進する氷核タンパク質、核形成を抑制する過冷却促進物質(抗氷核活性物質)、形成した氷結晶の成長を抑制する不凍タンパク質、長期間の冷凍時に起きる氷の昇華を抑制する昇華抑制物質である。このうち、針葉樹などの凍結耐性に寄与している過冷却促進物質について研究を進めた。図1に示した氷核形成を阻害する物質は、過冷却促進物質と呼ばれている。この物質は不均一核形成のみを阻害、つまり異物を水溶液中では異物とみなさない化合物である。一般的に、この核の発生は、異物を添加すれば高くなり、一般にヨウ化銀懸濁液を核とする。このヨウ化銀懸濁液に様々な抽出エキスなどをスクリーニングした結果、我々の研究室で、食品加工廃棄物に着目し、種々の食品加工廃棄物を100℃、30分間熱水抽出し、低分子量画分のみを分離して、過冷却促進活性を測定した。この際の過冷却促進活性は、氷核としてヨウ化銀1 mg/mlを用いた。スクリーニングの結果、最も活性が高かったのはコーヒー粕エキスであった。また、ここには示していないが、市販されている日本酒からアルコールを除去し、得られたエキスを分画したサンプルにも同様の活性があることも確認している。
 この過冷却促進物質の機能をうまく利用すれば、針葉樹のように収穫された生鮮野菜が0℃以下、未凍結で保存できる可能性があり、日本産農産物の輸出技術や農産物の旬を延す技術となるので、紹介する。

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